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第九章・6

 軽く震えた後、秀也から精が放たれた。 「あぁ、あ! ごめん、茉理。ごめん!」 「んんッ! ぅくっ、ん、ぅん! んんぅ!」  どんどん咥内に送り込まれる精を、茉理は次々と飲んだ。  甘苦い、秀也の味。 (何か、おいしいかも……)  愛する人のものを進んで口にする行為は、茉理に負担を掛けたりはしなかった。  全て飲み終え、舌を出して唇の周りに付いた残液を舐めとった。  その仕草が無性に可愛く、そしてエロチックに見えた秀也は、再び充血してきた。 「ヤだなぁ。お兄ちゃん、回復早すぎ!」 「ご、ごめん」  でも、今の茉理はすごくそそるよ。  そんな言葉に気を良くした茉理は、ころんとベッドに仰向けになった。 「もう、大丈夫だね。今度は、僕の番だよ?」  両腕を開いて誘う茉理が、可愛い。 「茉理、あのな」 「ん?」 「いや、何でもない」  愛してる、を飲み込んだ後、秀也は茉理に被さっていった。

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