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第十章・5
「ちょっと、待ってください」
秀也は、他の問題も見ていった。
問題は後になればなるほど、難しくなっている。
それでも秀也のメモには正解が書かれ、茉理のメモには的外れな間違いが書かれていた。
「これ! 茉理は、こんなこと言いませんよ! 弟は、俺よりずっと頭がいいんです!」
いきなり食って掛かった秀也に、スタッフは驚いた。
「え? だって、秀也くんαでしょ? 茉理くんは、Ωでしょ?」
別にいいじゃん、と涼しい顔だ。
秀也は、青くなった。
差別だ。
茉理は、Ωだからって差別されてるんだ。
青くなった後は、真っ赤になった。
「αだから優秀とは限りません! 俺、志望校B判定だし! 茉理にいっつも、勉強見てもらってるんです! Ωの茉理の方が、優秀なんです!」
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