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ふれあいルームⅠ

「ほら、行ってきなさい大丈夫だから」 「うぅ…でもこあいよぉ…」 奥で何か言い合っているようだ。 こちらに来るのを渋っており、誰かに促されているらしい。 「少しでいいから。い、一緒に来てぇ…」 「ったくミアは…少し説明したらすぐに出るからな?」 どうやら話は纏まったようで、黒スーツの男と布面積の小さい下着だけを身につけた青年がこちらへやって来た。 プロフィール通り、臆病で甘えん坊らしい。 男の背に隠れてこちらの様子を伺っている。 恐怖を与えまいと、私はにっこりと微笑んだ。 「失礼致します。私はミアの飼育担当者です。普段はペットを一人で入室させるのですが、ミアはふれあいルームが初めてで少々緊張しておりまして…」 「そのようだね。大丈夫、怖がらせるようなことは何もしないよ」 「は、はい…」 「失礼なことしないようにね。では、失礼致します」 飼育担当者が退出して行く背を見て、とても不安そうな顔で見送る。 これでやっと彼を正面から見ることができた。 癖のあるふわふわとした色素の薄い髪と髪と同じ色をした目、傷一つない真っ白な裸。 淡いピンクぽい乳首が可愛らしい。 下着はぴっちりとしていて、何とか性器が収まっているというくらい小さい。 「何も怖いことはない。こちらへおいで」 所在なさげに立ち尽くしているミアに再び声をかけた。 するとゆっくりとこちらに近づいてきて、私の足元に座った。 なるほど、これも躾の一種なのだろう。 不安そうにはしていたが、ミアの行動には迷いがなかった。 そうすることが当然のように。 「よしよし、大丈夫だからね。私と遊んだり、お話したりするだけだから」 「はい。僕は、ミアです。よろしくお願いします」 「うん、お行儀も良いようだ。いい子だね」 「えへへ、撫で撫で嬉しいです…」 そっと頭を撫でると、ミアはふわりと笑顔を向けてきた。 少しずつ緊張が解れてきている気がする。 「私の膝の上へおいで。できるかな?」 「できますっ」 「脚を跨いで私の方を向いて…そういい子だ。よくできたね」 今度は軽く抱きながら頭を撫でる。 褒められるとまるで犬のように喜ぶ。 なんて可愛らしい子なんだ。

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