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第11話
ふぶきせんぱいに
出汁のとり方を聞きたくて
お昼ご飯は屋上で
先輩と日向ときさきと一緒にご飯を食べる事にした
料理の話をしながらご飯を食べて
僕の洋食メインのお弁当と見比べるとぶっきー先輩の和食メインの彩り豊かなご飯の方がヘルシーだ
そういえば、
この前の日向の
生えてたし発言で
一時期落ち着いていた僕の女疑惑も
このまえ強姦されかけて、ふぶき先輩にお姫様抱っこで助けられた事案でまたしても
女疑惑が再燃していた
ちなみにこの前
いきなり知らない人に捕まったとき
吹雪先輩に助けて貰って
僕の事を襲った人達は退学になった
それ以来
きさきも日向も結構ずっと一緒に居てくれるようになった
ごはんを食べ終わってじゃれていると
きさきから寝技教えて貰ったから練習台になれ、護身術だ、と日向に押し倒される
重、くるしいし
『おーもーいー、日向おもたいー』
「悔しかったら抜けてみろ」
『むりいー、やだ、くるしい』
たすけて、とばたばた手足を動かすけど
ふぶき先輩もきさきも
呆れてるのかたすけてくれない
『ぅわぁん、やだあ』
「ギブアップか?」
と、日向が意地悪にきいてくる
しかし、
「ぅお」
急に日向の重さがなくなって
上半身を起こすと
『ひらこせんぱい』
日向の首の根っこを掴んだひらこせんぱいだ
助けてくれた
「ちょ、いきなり何すんだよヒラコ!」
「ひな、泣いてんじゃん。女が」
『泣いてない』
「それにこいつは女じゃねえって」
『そうだそうだ』
「紗雪ー?助けてもらったのにその態度なんなの?」
『ごめんなさい』
ほら、と先輩が手を出してくれたから
それを掴んで立ち上がる
先輩、
僕が男だってわかっても
仲良くしてくれるのかな
「何、そんなにじっと見て」
『ひらこせんぱい最近来なかったから』
「仕事だよ仕事」
仕事なら仕方ないけど
『先輩卒業できるの?』
「なんでよ」
『全然学校こないしサボってばっかりだし』
「そこらへんはちゃんと考えてるよ。2回目とかさすがに笑えないから」
『2回目?』
「平子は既に1年留年している」
と、吹雪先輩がいう
なるほどね。
2つ年上ってことか
『でも、先輩卒業できなかったら同じ学年になるからいいよ!』
「やだよ、2年留年なんて」
『そしたらひらこ先輩じゃなくなるね』
「だからしないって」
平子先輩が腰を下ろしたから
僕も隣に座る
「雪はなんでヒラコにばっかり懐いてんだ?」
「いつもいじめられてるクセにな」
『ね、ひらこ先輩はふぶき先輩と違っていじわるだし』
「ねえ、あんたなんなの」
と頭を掴まれる
『うっ、』
「紗雪は俺のこと大好きだもんなー?」
『ひらこせんぱいぃ』
「平子、後輩をからかうな」
「本当の事だって。こいつどMだから」
『ちがうのに』
「でもいじめられてるわりに懐いてるよな」
『いじめられてない』
「ほら、どMでしょ?」
『え!なんで!』
「あー、かわい」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でてくれる先輩
なんだよ、先輩
いじわるじゃないじゃん
男の子の僕でもかわいがってくれる
『おれ男なのに』
「あ、俺ら次体育じゃん、着替えに行くか」
と、立ち上がる日向
「行くかキサキ、ユキ」
「あぁ、そうだな」
『えっと、ぼくも』
室内の体育はでなきゃいけない
プール出てない分
「今日はバスケだぜー」
『ぼく、バスケ苦手なんだよねー』
というか運動全般そんな得意じゃないんだよね
そんな事を考えながら立ち上がった時だ
「紗雪、午後は俺に付き合いなよ」
『なんで』
「久々に俺が学校きてるんだよ」
『ぼくプール出てないから体育でないとやばいのにい』
「プールでればいいだろ」
『ばか、いじわる、平子せんぱいいじわる』
「こら平子、子供をいじめるな」
『子供じゃないのに』
「雪、どうするんだ?今日室内だから出るって言ってただろ」
と、きさきに言われて
きさきと日向について行く
『ひらこせんぱーい、また今度ね』
「あーあ、あんたの好きなところ連れて行ってあげる予定だったのに」
ばかじゃないのっておもった
けど、相変わらず仲良くしてくれて
嬉しかった
「なんでヒラコはお前のことずっと女扱いするんだろうな」
『ね。ぼくちゃんと胸触らせて男って言ったのに』
「は?触らせたってお前」
『だって信じてくれないと思ったんだもん』
だから、僕の事女とかからかうけど
ちゃんと男ってわかってくれてるはずだけどな?
クラスのみんなも女ってバカにするけど
体育の時とか普通に教室でぼくも着替えてるし
インナーのシャツ着てるから別に普通に脱いでるし
ただ、僕が着替えてると
現実見せんなと皆が必ず背中を向けてくるから
きっと誰も僕のお着替えシーンは見ていない
現実も何もないのに
「おー、雪ちゃん今日は体育でんの?」
『うん、バスケだし』
「バスケの振りして押し倒そうぜー」
『バカ言ってないでよ!』
と、まあ、クラスの人はだいたい信じてくれてはいるらしい
本当に女相手だったらそういう事してこないだろうし
『みんなちゃんと授業受けないとぼく嫌だからね!』
「いや、なんだよ。嫌だからって」
『僕はみんなに真面目になって欲しいの』
と、体育館でボールの準備をしながら日向と会話をする
日向ケンカ強いけどちゃんと準備してくれたりでまじいいやつ
「そういえば雪って意外に真面目に授業受けるよな。プール以外」
『当たり前じゃん』
「なんか前から言ってるうちの学校の更生ってやつか?」
『そだよー』
「ちょっと薄々気付いてたけど、雪って不良じゃねえの?」
『え?いや、ぼくのどこ見たら不良なの?』
むしろぼくのどこら辺に不良要素があったのか聞きたいくらいだ
「いや、前も言ったことあるけどこんな時期にうちに転校してくるってよ、ぜってえ他校でやべえ事件起こした以外無いだろ」
『いやいやいやいや、ぼくそんな事件起こしてないよ』
「は?前それでいいやとか言ってただろ。じゃあなんでわざわざうちに来たんだ?」
『まあ、理事長と知り合いだし』
知り合いで、
この学校を更生するって言って入れてもらったし
「お前も…理事長と知り合いなのか?」
『なに、お前もって』
「それ、言わない方がいいと思うぜ」
『そうなの?なんで?』
「…朱里も。理事長の知り合いだったらしいんだよ。だから女なのにこの学校入れたって」
『………』
なんて迷惑な理事長だ
そんなの、
僕が理事長と知り合いってバレたら
下手したらますます女疑惑が深まるじゃないか
『ひ、ひなたぁ』
「な、なんだ」
『ぼく、男だからね!嘘じゃないからね!』
「わ、わかってるって…」
そうだよね、日向は
分かってくれてるよね…
分かってくれてるとおもうのに
ちょっと不安になってしまった
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