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第13話

『放課後、藤紗雪と一緒に勉強会を開催します!みんなもうすぐ期末だから来てね!』 と、みんなに宣伝したのに放課後残ったのは 日向ときさき あと2人くらい頭良さそうな生徒だけだった 隣のクラスにもちゃんと宣伝したのに! なんだよ、みんなちゃんと勉強しようぜー 不服に思いながらも 勉強会を開催すると 意外にみんなちゃんと出来ていて いや、できる人しか残ってないのね… まぁ色々わからないのはきさきだけだったから ぼくと日向できさきの集中勉強会になっていた 「ぐふ、雪くん…ここがわからなくて」 と、よく知らないけど 藤紗雪と一緒に勉強会に参加してくれた 知らない2人のうちの1人がきさきに教えている時に声をかけてきたから 場所を移動して その眼鏡の彼の前に座って 聞かれたところを説明する 『そうそうそうそう!なんだ、わかってるじゃん。そうだよ、そうそう!』 と、きさきと違ってあまりにも物分りが良くて やるじゃん、と肩をばしばしと叩いてしまう 『えーと、大島くんだっけ』 「ぐふ、小嶋です」 『そう。小嶋くん。わかんないとこあったらまた聞いてね』 と、言い残し またきさきに集中するためにきさきの前に戻った これは明日も勉強会だな… そして翌日、 きさきの宿題を採点していた時だ 「雪ちゃんさん、なんか隣クラスの奴が呼んでるぜ」 『ええ、だれ?』 「確か大島とか言ったか?」 と、クラスメイトに言われて入り口の方を見ると 昨日の勉強会に参加していた大島くんがこちらを見ていた 『どうしたのー?呼んだ?』 「あ、あのぉ、昨日教えて貰った所ができたから見せに来たというか見せとこうかと思ってきたんですが」 と、ものすごく早口で言われた 『あー。うん。見る見る』 と、ノートを受け取って開くと たしかに昨日のところはできていた 『おー、できてるできてる。やっぱりメガネだから頭いいんだね!今日も勉強会やるから良かったらまた来てね』 「いっいきまひゅ!」 『そっか、じゃあまた放課後ねー』 と、ノートを返して バイバイ、と手を振った 良かった良かった うちの学校にもやっぱり少人数とはいえ真面目な子もいるんだな 「誰だアレ?」 と、いつの間にか覗き込んでいた日向 『隣のクラスの大島くん?だっけ。昨日勉強会来てたんだよ』 「あー。居たな、どうしたんだ?」 『なんか昨日教えたところできたから見せに来てくれたんだ』 「ふーん、…」 『どうかした?』 「いや、…気の所為だと思うけど」 『気の所為?なに、?』 「なんか怪しいっつうか気持ちわりぃっつうか」 『なにそれ?』 さすがに気持ち悪いは失礼な気もする でも日向は見た目だけでそんな事言いそうにはないから 何となく違和感を感じた そして放課後 日向ときさきはデフォルトとして 大島くんに、 きさきに勉強会の噂を聞いた不良の子達と日向の下っ端の子達も今日は藤紗雪と一緒に勉強会に参加してくれて今日は昨日より人数が多くてやりがいがある 『わぁあ、昨日よりいっぱい来てくれてぼく嬉しいよお!』 と、日向の下っ端の子とか きさきの頭悪いから仲間とか 教えがいがあって嬉しかった 分からない所が多いらしく 僕と日向は引っ張りだこだった 「ぁ、あの、ゆ、雪くん、ここが…」 『あ、次行くね。あ、日向空いてるなら教えてあげて』 「おー」 「ぇ…」 と、日向と手分けして みんなに説明をしていた うん なんか僕がここにきた目的に向かってる感じ いいね、こういうの ◆◇ 「ゆ、雪くん!」 『あれー、どうしたの』 と、移動教室の時に 大島くんに話しかけられて 足を止めた 「今日は勉強会は、」 『今日はやらない予定だよー』 「そ、そうか…」 『なんで?わかんない所あった?』 「あ、ちょ、ちょっと…ぐふ」 『そっかー、じゃあ昼休み来てくれたら教えるよー。基本的に屋上で日向達とご飯食べてるけど』 「あいつ…苦手で」 『ええ?そうなの?』 日向苦手とか珍しいなあ まぁ明るすぎてダメなのかな 『あー、じゃあ授業終わってすぐでいい?教室いるから、先に教えたあとでご飯食べにいくから』 「うん、楽しみにしてるよ」 と、大島くんは言った すげえ勉強熱心なんだな、彼 そして昼休みになってすぐに 大島くんが尋ねてきて 約束通り分からないというところを教える 『ここ、この前も聞いてなかったっけ?わかりにくかった?』 「も、もういちどききたくて」 『そっか』 と、もう一度いちから教えると やっぱりわかっていたようですんなり問題を解いてくれた 「いつも、ありがとう」 『いいえー。テストがんばってね』 「う、うん!あ、あの!雪くん」 『んー?』 「この後は…?」 『お腹すいたからご飯食べるよ』 「えっと…いっしょに」 『あ、日向達屋上で待ってるから』 「……そ、そうだよね」 『うん、ごめんねー』 と、謝ると ちょっとしょぼんとした大島くん なんだろ、なんか懐かれちゃったかな? まぁ、別にいいけど 真面目だし ぼくに女っていわないし 「あ、え、えっと、これ、お礼なんだけど」 と、鞄の中から 何かを出した大島くん 『え?なに?』 「チョコだよ。甘いもの、ぐふ、好きかな?」 『うん、甘いものだいすき』 「そうだよね!じゃあたたた食べて!」 『うん、なんかわざわざありがとねー。じゃあぼく屋上いくから』 と、チョコを受け取り 屋上に向かった うん、懐かれたなこれは わざわざお礼なんて用意してくれるなんて 律儀な子だなぁ

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