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第21話

来週に海に行くことに決まって それまで僕は 見回りに精を尽くすことにしていた 宿題はもちろん 飲酒喫煙も気をつけなきゃな、と気にしていた 今日は山ちゃんのお家行ってみるかな、と考えていた時だ 朝から平子先輩から 今日なにしてんの、と 連絡が入った 今日は山ちゃんの所見回りに言って、 旅行用のシャンプーとか買いに行く予定ですけど と、返信するとすぐに電話が鳴った 『平子先輩、どうしたんですか?』 「山ちゃんって誰だよ」 『山ちゃんはクラスメイトですよー。宿題やってるか見に行こうと思って』 「なんで?」 『アポなしで学校中のみんなの家回ってるんですよ、夏休み暇なんで』 「おまえアホじゃないの。迷惑なやつ。犯されるよ、そのうち」 『大丈夫ですよー、クラスメイトだし』 「そんなに暇なら俺ん家来なよ。見回りだっけ?」 『え?いいんですか?僕多分3年生の勉強も大体教えられるとおもうので宿題やります?』 「は?俺がお前に教えてもらうと思ってんの?」 『あ、それはもちろん平子先輩次第で大丈夫です。行ってもいいんですか?』 「うん。家今日誰もいないし」 じゃあ気楽だな、と思いながら 今日は平子先輩のお家に行くことに決定をして 出かける準備を始めた ◇◆ 『ひーらーこーせんぱーい、遊びにきましたー!』 と、平子先輩の家の前で 先輩の事を呼ぶと 結構勢いよく2階の平子先輩の部屋の窓が開いた 「お前インターフォンってシステム知らないの?」 『あー、』 「あー、じゃないんだけど。近所迷惑なんだけど。とりあえず上がる?」 『うん、上がる』 「開いてるから上がっといで」 と、言われ おじゃまします、と小さく言って勝手に平子先輩のお家に入る 『平子先輩こんにちは』 「うん、なんか元気だね」 『平子先輩久しぶりだから』 「そうだっけ?」 『テストの後から会ってないじゃん!』 「あー」 あー、とか言ってるけど平子先輩は 当たり前のように学校に来てなかった 「暑かった?」 『意外にマシでした』 宿題やるかな、と荷物を置く 『ひらこせんぱい、一緒に行くでしょ?海』 「あー、なんかそんな話してたね。あんたの家があるんだっけ」 『うん。楽しみ』 平子先輩の顔を見るとぱっちり目が合った おお、久しぶりに見た平子先輩 こんなイケメンだったっけ、この人 そっか、モデルだもんな… 「そういえばあんた生理終わったの?」 『……は?』 「吹雪から聞いたけど。あんた生理だったんだって?」 『ちがうって!』 「ちがうの?もう終わったってこと?」 『ちがうって!元から違う!』 「ふーん、じゃあさ、エッチできるんだね?」 『………え?』 「生理じゃないならできるでしょ?」 『え、せんぱい、ちがくて、僕、男だから……』 「なに?」 おいで、と先輩は僕の手を引いたら ベッドに押し倒した 『せ、せんぱい』 「俺でエッチな事できるように、ちゃんと自主トレしてきた?あんたこの前言ってたじゃん」 『…いったけど、』 「あんた今日いい匂いするよねー、女みたいになった?髪もちょっと伸びたし」 すんすん、とセンパイは僕の首筋に顔を埋めながら言った 『な、なんでそんなことするの?』 「付き合ってるんでしょ?俺たち」 あれ、そうだっけ、そうだったかも 『せんぱいぃ』 「なに、また泣くの?」 『だって、急すぎて』 「だって付き合ってんのに家来てさ、何すんの?」 『お勉強とか、』 「小学生じゃないんだから。俺ちゃんと言ったよね?今日はウチ誰もいないって」 『…言ってたけど』 「なんも考えないできたの?」 『えっと、うん』 「小学生かよ」 『ご、ごめんなさい』 もういいよ、と平子先輩は僕の手を離してくれた 『えっと、じゃあ…キスだけ、して欲しいです』 「なんで?」 『だって、つきあってるから』 「あんた俺の事本当に好きだね」 『えっと、好きです』 「やだよ、してやんない」 『な、なんで』 ふふ、と先輩は笑って僕の顔を見た なんだ、からかわれていただけだったのか 押し倒されたのも全部 そう思ったのに 次の瞬間 ちゅ、とおでこに柔らかい物が触れた 『せ、せんぱい』 「あんた、かわいくなったね」 『ほ、ほんとうですか』 「うん。なんで?」 『せんぱいに、すきになってほしいから』 「おれは女しかすきになんないよ」 と、先輩は僕の腕を引いて起こし 抱きしめてぽんぽん、の頭を撫でてくれた すきになってくれないのに なんでそんなことするの、先輩 じゃあ、どうしたら好きになってくれるんですかって聞こうとしてやめた 『せんぱい、海、楽しみだね』 いくら顔が女だからって 男で 先輩の興味の対象じゃない いくら女の子みたいにしても、ダメってことなのかな 朱里くんだったら、 ちゃんと女の子だから先輩に好きになってもらえたのかな

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