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第28話

「平子、紗雪。いい加減起きろ。海行くんだろ」 『…んんん、』 「…パス」 「パスじゃないだろ」 「俺ら眠いんだよ……、先行ってて」 と、先輩が答えたのが聞こえる けど、先輩はズルズルとどこかに連れてかれる音が聞こえた 僕も、起きなきゃ 『せんぱいい、』 ぼく、先輩のこと好きなのやめられないのに、 日向に先輩のこと好きなのやめるって、言ったんだったと まだ目がよくあかなくて 頭もよく回っていなくて ぼんやりとかんがえる そんなこと考えているより起きなきゃ 『んんん、おきたくない、おきたくない』 どうしたらいいかわかんない 「ユキー!いつまで寝てんのかよ!」 その声と共に バフっとお腹の辺りに衝撃 『っうぅっ』 「ユキ、早く起きろって!海、行こうぜ」 『あ、え、うん、』 と、日向に手を引かれて起き上がる 『ひなた、おはよ、』 「おお、おはよ…えー、夜中、悪かったな。寝ぼけちまったみたいで」 『あー、うん、えっと、僕も寝ぼけてたから、』 と、いつも通りの日向に少し安心して よし、起きよ、と僕もようやく起きる気になって さて、と起き上がり布団を畳む 「…ユキ、怒ってねえか?だから、ヒラコの所に」 『違う違う!ひらこ先輩の部屋、エアコンの温度高め設定で僕ちょうど良かったから!日向は結構涼しい部屋じゃないと辛いかなって思っただけ』 「ああ、そういう事か!帰ってこねえから怒ってんのかなって俺ちょっと気にしてて」 『ごめんごめん!そんなんじゃないから!ごめんね、日向』 「い、いや!悪いのオレだし!」 『もうこの話終わりにしよ!うん、誰も怒ってなかったし。ほら、僕着替えるから日向ちょっと出てもらってもいい?』 「あ、あぁ!着替えな!おう。向こうで待ってる」 『うん!』 と、出ていこうとする日向 『日向!』 けど、日向の背中に声をかけ 引き止める 「なんだ?どうした?」 『日向、海でいっぱいあそぼ!』 「おお!そうだな!ユキ、プール出なかったし、オレもユキと遊べんの楽しみだ!向こうで待ってるな」 『うん!すぐ行く!』 着替えてリビングに行くと 吹雪先輩が朝ごはんを準備してくれていて 僕も顔を洗って 食卓につくと 平子先輩は眠そうに欠伸をしていた 『平子先輩眠そー』 「夜中に起こされたからね」 『…それは、』 「紗雪、日焼け止め持ってる?」 『うん、もってる』 「後で塗って」 『え、いいですけど』 「俺もあんたに塗ってあげるよ」 『ええ、いいです』 「ヒラコー、ユキ!ソーセージ何本食う?」 『2本!』 「いらない、コーヒーだけでいいって」 「食わねえと力でねえぞー!」 『つか日向、きさきは?』 「あいつならトレーニングって走りに行ってるぞ」 「潤ちゃんこんな時まで真面目ー」 と、平子先輩はコーヒーだけ持って テレビの前に座った 『日向、吹雪先輩食べよー』 と、吹雪先輩がお母さんバリに用意してくれたご飯を食べ始める事にした ◇◇ きさきも帰ってきて みんな身支度を済ませ 僕は全身に日焼け止めを塗って 麦わら帽子を被って Tシャツを着てパーカーを羽織って 下は海水パンツを履いて ついでに今必死に浮き輪を膨らませていて 海にいく準備は万端だった 『いこー!』 「おお!行こーぜ!」 「待て、今凍らせたスポーツドリンクを」 『…吹雪先輩ってお母さんだっけ?』 と、昨日は先輩とドライブした海に みんなで歩いて向かっていた 僕は必死に浮き輪を膨らませながら歩いていた 「ユキ、浮き輪なんて要らないだろ」 『いるよ!』 「まさか紗雪泳げないんじゃないの?」 と、平子先輩にバカにされる いや、そのまさかですけど? 『……先輩、日焼け止め塗ってあげる。首の後ろとか』 「へえ、塗ってくれんの?向こう着いたら塗ってね」 『うん!』 日向ときさきは先に走って行ってしまって 僕達が一足遅く海に着く頃にはレジャーシートを敷いてパラソルも立ててくれていた 『うわあ、海だ』 すっごい久々 いや、昨日も来たけどそうじゃなくて こんな陽の当たる海、 なんかなんだろ、めちゃくちゃワクワクする 荷物を置いてさっそく駆け出そうとしたら 吹雪先輩にみんなで首根っこを掴まれる 「準備体操してからだ!」 「俺はさっきまで走っていたから平気だ!」 と、おバカなきさきは一刻も早く海に飛び込みたいようでソワソワしていたが みんな仲良く 吹雪先輩の監督の元 しっかりと準備体操をする 『よおし、』 今度こそ、と パーカーを脱ぎ 浮き輪を持って海に向かって走り出そうとしたら ぐいん、と今度は浮き輪を引かれて 思わず尻もちをつく 『な、なに?』 と、振り返ると 「日焼け止め。塗ってくれるんでしょ?」 と、ばさり、とかっこよくシャツを脱ぐ平子先輩 ひええ、 『ぬ、ぬる、』 「ほら、」 と、背中を差し出すから 手のひらに ぷちゅう、と日焼け止めを出して 先輩の背中に塗り塗りする うっわ、これ、なんかいやらし 乳白色のぬるぬるしたのが…… 先輩の背中鍛えられてて引き締まっててかっこいいし… 「ねえ、あんた触り方ヤラシイんだけど?変な触り方してないでちゃんと塗ってくれない?」 『そ、そんなこと!』 そんな事ない、と一気に塗り塗りして できた、とパチン、先輩の背中を叩く 「いった」 『そんな痛くないくせに』 「…あんたは?塗ったの?」 『塗った』 「背中は?」 『ぬ、塗ったけど…だいたいぼくTシャツ脱がないから、』 「紫外線って貫通するよ、マダラになるから俺が塗ってあげる」 『や、脱がない』 「いいよ、脱がなくて」 と、先輩は僕の後ろに回り込み手にぷちゅぷちゅ日焼け止めをだし 『わっ』 ヌルッとした手が僕の服の中に入ってきた 「塗ってあげるね」 と、ヌルッとした手が僕の背中を滑る 『っ、ん、せ、せんぱい、』 「どうしたの?」 『だっ、てぇ、』 ぬるぬるして、ぞわぞわしちゃう 先輩の手は僕の背中を満遍なく滑って そして、 『っひゃぁ!』 ぬる、と前に回ってきて 僕のひだりのちくび、 アザのあるところ辺りを擦った 誰にも触られた事のない場所、 『せ、せんぱい、そこ、っだめです!』 「なんで?日焼け止めたくさん出したから余っちゃったんだもん」 と、ぬるぬる僕の左乳首の周りを擦り ピンッと指先で乳首を弾かれる 『っひぁっ、んんっ』 や、それ、やだ、と ゾワゾワから逃れたくて カクカクと腰が揺れてしまう そんな僕の耳元で 「紗雪、感じてんの?」 と、耳元で言われると 力が抜けてしまう ぬる、と先輩の手がゆっくりと下がってお腹を触りくりゅ、と少しだけおへそを触られる 『んんっ、だめっ』 こし、ぬける、 と、もう、限界、とゆっくりと先輩の方を振り返ろうとした時だ 「はい、おわりー」 と、呆気なく先輩の手が僕の服から抜けていった 『あ、れ?』 「さて、泳ごうかな」 と、先輩は立ち上がって んん、と伸びをする え? 『え?』 「紗雪もいく……ってあんた、海パン染みてるよ?何感じてんの?」 と、さらっと言われて 視線を下に向けると 起き上がって先っぽのところをじんわりとさせているぼくの下半身 『せ、せんぱいのばか!』 と、僕は急いで浮き輪で下半身を隠して 落ち着くまでパラソルの下で大人しくしておくことにした

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