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第7話 にゃんタス記念日・4
「うあっ……!」
「凄げえな、はち切れそう」
「やっ、ちょっと、刹っ……! そこ、やだっ……」
まさに解放されたい俺の精液が溜まっている大事な部分を、刹が泡を塗り込むようにして揉んでくる。そんな所自分でもあんまり触らないのに。刹の大きな手で包まれると、あったかいのと気持ち良いのとでもう、……もう……。
「那由太、凄いとろけ顔になってるよ。こんな風にされるの初めてだろうし、相当気持ち良いんだね」
「はー……はー……、あっ、んあ……むり、れす……」
「喋れてねえぞ」
乳首とペニス、それから二つの玉を同時にゆるゆると愛撫され続ける。二人の泡塗れの手と濡れた舌、それから視線──何もかもが刺激的なのに、ゆっくり弄られているせいで射精することができない。
「ミントの良い匂い。那由太も泡塗れで可愛い」
「あ、う……。炎珠、さんっ……、あ……」
俺の胸元から顔を上げた炎珠さんが、頬にキスをしてから囁いた。
「イきたいよね。那由太の×××ビクビクしてて、我慢できないって言ってるみたい」
「……イ、きたい……です。お願い……炎珠さん、……意地悪、やです……」
「良い子だね。じゃあ一回イッとこうか」
一回って……今夜俺は何回二人にイかされることになるんだろう。
「んっ、──んぁっ、ああぁっ!」
炎珠さんの手が速まって一分も経たないうちに、俺はその先端から豪快に欲望を吐き出してしまった。
「……んっ、はぁ……は、……」
目が霞んでいるせいか、泡がきらきら光って見える。
「大丈夫か」
刹が俺の体を支えてくれて、ついその腕にしがみついてしまった。
日頃の運動不足が祟ったのか、それともこういうことに慣れていないのが悪いのか。とにかくもう頭も体もふらふらで、とても「記念日」なんて続行できそうにない。
「出ようか。刹、那由太のこと抱っこして運べる?」
「ん」
熱の籠った浴室から涼しい部屋に運ばれた俺は、全裸のままダブルベッドの上へと寝かされ茫然と天井のライトを見つめた。
「那由太、お水飲んで」
氷がたくさん浮かんだグラスの水をストローから飲ませてもらい、ようやく「ふう」と息をつく。エアコンの風が気持ち良い。このまま眠ってしまいそうだ。
「す、すいません迷惑かけて……」
「そんなことないよ。那由太がのぼせちゃうって考えなかった俺達が悪いんだから」
俺の横に同じく裸で寝そべった炎珠さんが、優しく俺の頬を撫でてくれた。
「暴走するのは俺達の悪い癖だな。那由太の経験値とか俺達との体力差とか、覚えておかねえと」
言いながら、刹が冷たいタオルで俺の額を拭いてくれている。
……別に二人が悪い訳じゃないのに。
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