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第16話 ご主人への贈りもの・8

 二人の舌が俺の肌を這う。二人の手が、視線が、俺の体の隅々までを包み込んで熱を与えてゆく。感じるほどに心まで満たされて、俺はベッドの上ではしたなく脚を開きながら何度も快楽の声を張り上げた。 「那由太……」  炎珠さんが俺のそれを握り、何度も優しく先端を啄む。 「あ、あ……そこ、は……」  刹が二つある膨らみの片方を口に頬張り、ゆっくりと舌で転がす。  荒い呼吸が止まらず、同時になぜか涙が止まらない。俺はしっかり二人と手を繋ぎ、潤んだ目で天井を見つめていた。 「も、もうイきそうかも、です……」  その言葉で二人が一度、俺のそこから顔を上げる。交代して今度は俺が二人のペニスに奉仕する番だ。 「……だいぶ上手くなったな」 「うん。……可愛くて気持ちいいよ、那由太」  ベッドに座った俺の両側に立つ二人。握ったそれを交互に咥え、扱いて、吸い上げて何度もキスをする。大好きな人とはいえ、男のペニスをこんなにも愛おしく感じてしまうのって、どうしてだろう。 「可愛いよね。ね、刹」 「……まぁな」  頭を撫でられ、俺は恍惚の表情で二人を見上げた。  こんな未来が待っていたなんて、全然知らなかった。 「あぁっ、あ……刹、すご、い……激しっ、……」 「はっ、……那由太。日に日に具合良くなってねえか、お前っ……」  開いた脚の間で前後する刹の腰が、何度も俺に打ち付けられる。ぶつかり合う濡れた音、刹の息遣いと汗、それから…… 「開花してく一方だよね。俺達と相性が良いからだよ、きっと」  俺の横に寝そべった炎珠さんの囁き、続いて痺れるような甘いキス――。 「んっ、んん、ぅ……あっ」 「那由、……いきなり締めんなっ、……」 「はぁ、あっ、……あ……あぁっ」  刹の熱いものが中に放たれ、俺は体中を痙攣させてその愛情を味わった。 「次は俺だよ、ご主人様。後ろからしてあげる」 「おねが、……します……」  刹の獣のような激しいセックスと、炎珠さんの優しくて甘いセックスと。全然違うのにどっちも気持ち良くて、どっちも大好きで……贅沢だなと自分でも思う。 「あっ、ん……! 炎珠さ、あぁっ……!」  膝立ちになった俺は背後から炎珠さんを受け入れ、正面の刹にしがみついて腰をくねらせた。 「刹の後でも、ちゃんと俺の形になってくれてる。那由太のお尻は健気だよね」  初めて男を知った俺の体は、もうきっと二人でしか満足できない。 「一千万出した甲斐があるな」 「ん、……刹……キス、し……ふあ、ぁ」  二人は俺の、最初で最後の人なんだ。

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