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第3話
「や、だ、あっ、あっ……そんなにはげし、く、ついちゃ、やっ……」
「嘘。ここは欲しい欲しいって言ってるぞ。ほら、正直に言えよ」
「あっ……ほ、ほし……」
「何が」
「分かってんじゃん……」
また朱莉(しゅり)が言い終わるより先に、動きが早くなる。がくがく揺さぶられると、ただ「あ」と声を出しているだけで、振動が助けになってそれらしい声に聞こえてくれる。精液が注がれる。量はそう多くないけど、しつこくぴちぴち垂れ流している。
犯されてる、と思うのが嫌。犯している、と相手が思っているのが嫌。だから、蜘蛛が獲物を絡め取るように、相手の腰に脚を絡める。注がれている、んじゃない、搾り取ってやっている。精液……違う、オメガの発情を鎮めるための液体……違う、アルファの内臓、大切なもの、尊厳、それを出すごとに馬鹿になっていく排泄物……
ナカでびくびくと蠢くものを感じながら、女性の生き血を浴びて若返ると信じていた毒婦のように、「はあ……」と息を吐き出していた。発情はそんなに強い方じゃない。一度出してもらえれば、すぐにおさまる。冷静になるのは大抵アルファより先だった。たとえば海で溺れていたとして、相手を蹴っ飛ばしてその反動で浮き上がるようなもので。理性を取り戻した頭で、深いところにいるアルファを見下ろす。組み敷かれながら、見下ろす。
「あは……すっげ、ぐっちゃぐちゃ……あー、垂れてきちゃった。ほら、駄目じゃん、ちゃんと全部こぼさないで」
「ん……」
尻の穴に力を入れる。こぼすな、と言ったくせにそいつは掻き出すような動きをする。
「せっかく種付けしてやったんだから」
「は……」
燃え上がり、そして冷静になった思考が、今度は急速に冷え固まっていくのを感じる。
「赤ちゃんできちゃうかなー」
「嬉しいー、いっぱい孕ませてー」
死ね。
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