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第15話

 あれが、欲しい。  理屈じゃなかった。  体が、心が、唯人の与えてくれる熱を待ち望んでいた。 「入れたい?」  俺は頷いた。  手を伸ばし、唯人の屹立の根元の濃い茂みを撫で、キュっとしまった双珠をつつく。  もう我慢できそうになかった。  唯人が焦らす様に、俺の後口に人差し指を入れては抜きを繰り返す。 「あっ、あっ。もぉ入れて」  唯人はくすりと笑うと俺に顔を近づけた。 「入れて欲しいなら、和希からキスしろよ」  唯人の言葉に俺は目を見開いた。  ふいに冷水を浴びせられたかのような気分になる。 「キスはだめだ」  脳裏に美鈴の笑顔が浮かぶ。  ここまでしていても、唯人へのキスは美鈴への最大の裏切りになる様な気がした。  唇を噛む俺をつまらなそうな表情で唯人が見る。 「ふうん。じゃあ、このままだな」  唯人は俺の中から指を抜くと、自分の衣服を整え始めた。 「キスできないなら、我慢しろよ。それとも通りがかった奴に誰でもいいから入れてくれって頼むか?」  唯人の酷い言葉に、俺の顔が強ばる。  我慢なんてできるわけがない。  俺の後口はトロトロとほころび、蜜を零し続けていた。  頭の中にあった美鈴の顔が消えて、唯人の逞しい肉体がとって変わる。 「嫌だ。行くなよ」 「じゃあ、どうする?」  俺と目線をあわせた唯人が問う。  俺はその唯人の逞しい首に両腕を巻き付けた。  唇を自ら合わせる。 「しろよぉ」 「了解」  俺の懇願だか命令だか分からない言葉に唯人はそう返すと、荒々しく俺の唇を奪った。  そのまま俺の熟れた後口に自分の熱の先端を充てる。  一気に貫かれた。 「あああ。いっ」  ドチュドチュと激しい水音が聞こえるくらい乱暴に、唯人は俺を犯した。 「ああ、すげえ。子宮が降りてきてんだな。俺の先端に吸いつく」  唯人が息を乱しながら言う。

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