61 / 100

第53話

 ベッドの軋む音が部屋中に響き渡る。  胡坐をかいた唯人に下から突き上げられ、俺は嬌声をあげた。  唯人は俺のうなじを掴むと、無理やり自分のほうに向け、唇を貪った。  息苦しくなった俺が、唯人の舌を噛むと、ようやく顔が離れる。  切れ長の瞳に欲望の炎をぎらつかせながら、唯人が俺を見つめて目を細めた。 「もっ、無理」  唯人が俺の首筋に顔を埋め、思い切り息を吸い込んだ。 「もう少しだけ付き合って」  唯人はそう言うと、俺の太ももを掴み、足を大きく開かせた。 「やっ」  俺が顔を赤くして足を閉じようとすると、唯人が俺のうなじについた痕にキスをする。 「愛してる」  唯人が呟き、思い切り腰を突き上げた。 「ああっ」  揺さぶられ、俺は必死で背後の唯人に縋りついた。  唯人が俺の唇を求め、俺がそれに応える。  唯人の舌が俺の舌に絡みついた瞬間、体内で熱がはじけたのを感じた。  息を吐きながら、俺は体を前に倒した。  まだ硬い唯人自身がにゅぽりと体内から抜ける。  緩んだ後口から白濁が漏れる生温い感触があった。  すぐさま唯人が俺に覆いかぶさる。 「すごく良かった」  唯人はそう言いながら、俺のむきだしの腹を撫でた。  俺はまだ整わない息と暴れる鼓動を落ち着かせるのに必死だった。  深呼吸を何度も繰り返す。  そんな俺の尖りきった乳首に唯人がそっと触れた。  ふにふにと摘まみ、先端を固い爪の先で刺激する。  唯人によって開発されたそこを弄られると、俺の体にはまたあっけなく熱が灯った。 「唯人。ダメだ」  振り返って言う俺の唇を唯人が奪う。  唯人は荒い息を吐くと、俺の体を仰向けにした。  直立する熱を俺の後口に擦りつけ、切っ先を潜り込ませる。 「ダメっ」  唯人はそれ以上腰を進めずに俺の乳輪を舌でたどった。  乳首を吸われ、俺の腰が震える。  俺は唯人の肉食獣を思わせる瞳と視線を合わせ、湿った吐息をついた。 「抜いたほうがいい?」  唯人が俺の首筋を舐めながら問う。

ともだちにシェアしよう!