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第63話

「口でする」  俺は一方的に宣言すると、唯人の足元にしゃがみこんだ。 「えっ、何これ。夢?」  驚いた唯人の声が聞こえる。 「いいんだよ。嬉しいけど、和希にそんなことさせられない。第一俺、昨日風呂入ってなくて」 「うるせえ。黙ってろ」  俺は唯人のパジャマを下着ごとおろした。 「わっ」  ぶるんと飛び出た唯人の屹立はすでに硬く反り返っていた。  なんで俺、男の勃起した股間なんて見て、興奮してんだろ。  唯人のソレを見ているだけで、口内に唾が湧いてくる。  俺は屹立の下で張りつめている丸みのある黒い双珠を舐めた。 「だめだって」  唯人はそう言いながらも、俺の頭にそっと手を置いた。  珠の皺に舌を這わすと、唯人が苦し気な声を上げる。  唯人の屹立から雫が溢れ、俺の顔を汚した。  俺は珠を口に頬張ると、息を吸い込んだ。  煮詰めたように濃い唯人の香りのせいで、頭がくらりとする。  濡れた屹立を舐め上げると、しょっぱいような苦いような。  絶対に美味しくない味なのに、その行為が俺の快感を高める。  俺が尻をもじもじさせ始めると、唯人が唸った。 「和希、ごめん」  唯人が俺の頭を鷲掴みにして、己の腰をがんがんと突き入れ始めた。  苦しくて生理的な涙が滲む。  それでも一生懸命口内の唯人に俺は舌を這わせた。 「うっ」  唯人が呻いて、腰を引いた瞬間、俺の顔に生温い白濁がかかった。 「和希、俺」  俺はぼんやりと頬に飛んだ白濁を人差し指で掬った。  それをそのまま舐め、顔をあげる。 「まっず」  唯人の顔が真っ赤に染まっていく。  目の前にある唯人の屹立がまた勃ちあがった。  唯人は俺を抱きあげると、そっとベットにおろした。 「なんなのこれ?どうして今日はこんなサービス満点なんだよ」 「夢みたい?」  俺は困惑している唯人の前髪を指先で弄んだ。 「夢でもいいよ。でも現実ならもっといい」  唯人はそう笑って言うと、俺に口づけた。

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