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第2話

 テーブルには唐揚げ、ハムとレタスとからしマヨとたまごを挟んだサンドウィッチ、出前で頼んだお寿司。 「美味しそう……!今日、何かあったっけ?」  まるで子供のようだ、と笑ってしまう。裕也さんの好きなものばかりを集めた食卓なので気に入って貰えて内心ほっとしているのもあるが。 「いただきます!」 「はい、どうぞ」  大皿に盛られた唐揚げを一つ取るなり、大きな口を開けてぱくり。頬を膨らませて咀嚼すれば目を輝かせ、瞬きした瞳と視線が合う。 「カリッとジュワァとするよ……!」 「以前からテレビで気になっていたので、二度揚げに挑戦してみました」 「お肉もすっごく柔らかくて……おいひい……っ」  美味しさを堪能するように目を閉じる姿がとても愛らしく、腹も心も幸福で満たされる。 (良かった……) 「サンドウィッチは焼いたやつと耳ありなしの三種類にしてみました。パンはルージュの食パンです」 「最近出来たお店だね。たしか、ケーキも売っているんだっけ?はむっ、もっ、もぐ……んー!もっちもちで、具も美味しくていくらでも食べられちゃうよ……!」  両手で掴みながら嬉しそうに頬張ってくれている。毎日の弁当も共に囲む食卓のメニューも被らないように意識してもやはり同じものになってしまったり、質素になってしまったりする。だが、目の前の彼はあの日を覗き、俺の作るご飯を美味しそうに食べてくれる。 「唐揚げのお肉にはヨーグルトを使ってみました」

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