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第63話 ※

無理。これ以上は死んでしまう。 昨晩初体験を経験したばかりなのに、二回目にしてこんなに激しく抱かれることになるなんて。 「っは、あっ、ぁ……っ!」 事が始まってからもう三回は達している。 下半身はもう自分の出した精液でグシャグシャだ。 まだ凪さんのペニスは挿入されていない。後孔と俺自身を弄る手が止まることはなくて、ガクガクと痙攣しっぱなしだ。 「あぁっ、やだ、そこ……っあ、また、いっ、ちゃうっ!」 「イけ」 低い声が鼓膜を揺らす。 前立腺を引っ掻くように触られると我慢する事はできなくて、大袈裟なくらい体が震え、頭が真っ白になる。中で達するとなかなか降りてこれないのが怖い。 長い間快感に支配されているような感覚は少し苦手だ。 後孔に触れていた指が抜けて、ゴムを着けた彼のペニスが代わりに宛てがわれる。 短い息を何度も吐いて、これからくる衝撃に耐えようと目を閉じる。 「真樹」 「っ、あ……」 額と彼の額がコツンと当たる。 閉じていた目を開けると凪さんは不安そうな表情で、目もユラユラと揺れていた。 「ごめん、真樹」 「ぅ……ぁ……」 「愛してるよ」 「ひっ、ぃ、あぁ……っ!」 狭い道を押し開いて入ってくるそれ。 痛くはないけど圧迫感が辛くて、逃げる為に上に上に体をずらそうとすると、腰を掴まれてできなくなった。 「あっ、は、くる、しい……っ、凪さ……」 「ごめん、ごめんね」 止まってはくれずに、どんどん中に入ってくる。 出っ張った部分が前立腺を引っ掻き、爪先がピンと伸びた。 「はぁっ、ぁ……!」 トンと奥に当たって漸く動きを止めた彼。 彼に抱き締められながら、短い呼吸を繰り返す。 「真樹、真樹……」 「っぁ、ゃ、奥、やだぁ……!」 小さく動いて奥を何度も刺激される。 おかしくなる。また頭が真っ白になってしまう。 「はっ、はぁ、ぐ……っ、ぁ、いく、いく……っ!」 ギューッと中を締め付け、彼が息を詰める。 体に力が入らなくなって、潔く四肢を投げ出すと激しい律動が始まった。 「あっ、あーッ!ぁ、はげ、し……っん、んあっ、あ……」 ダメだ。食べられる。そんな気がする。 肩に噛みつかれて痛みが走った。 涙が溢れて止まらないのは、気持ちいいからか痛いからかわからない。 「っあ、ぁ……」 もう苦しい。 そう思うのに彼は傷ついた様な表情で俺を見ていて、ぐっと手に力を入れて凪さんの頬を撫でる。 名前を呼べば動きは緩やかになって、さっきよりも余裕ができた。 「だ、大丈夫……」 「……真樹」 「愛して、ます。大丈夫、俺を愛してくれてること、わかってるから……」 頬を撫でる手を取られ、優しく握られる。 手にきゅっと力を入れて握り返すと、凪さんは漸く小さく笑顔を浮かべた。

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