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第156話

言っていた通り、夜ご飯はホワイトクリームのパスタを食べ、お風呂に入ると何もせずにただ抱き合って眠った。 そうして翌日を迎え、目を開けると抱きしめられたままで、嬉しくて彼の胸に顔を埋めていた。 けれどモゾモゾしすぎたせいか、凪さんは起きてしまう。 「おはよぉ、凪さん。」 「ん……おはよう」 少し掠れた低い声が腰に響く。 額にかかる前髪を退けて、そこに唇を押し付けた。 「凪さん、今日も仕事、だよね?俺も行っていい?橋本にちゃんとお礼を伝えたい」 「わかったよ。」 体を起こした彼は、欠伸を零すと俺を抱き上げて一緒にベッドから降りた。 洗面所に連れて行かれ、それぞれそこで朝の準備をして、キッチンに移動する。 コーヒーを俺が入れて、凪さんがご飯の準備をして。そうして二人で何気ない会話をするのが楽しい。 「そうだ。蒼太にも報告しておかないと。」 「そうだな。……それに、前に真樹と話したことを伝えないといけないし、改めてお礼をしないとね。」 「ヘッドハンティングのこと?」 「うん。」 できた朝食とコーヒーをテーブルに並べた。 また会話をしながら、明るい雰囲気で食事を終えて会社に行く準備をする。その間に蒼太に近々会えないかと連絡を入れた。 「あ、橋本にお礼、何渡せばいいと思う?」 「……。何だろう」 「好物とかも知らないんだよね……。お礼にご飯を御馳走する方がいいかな。」 「その方がいいかもしれないね。」 話が纏まり、準備が終えると凪さんが「出るよ」と声を掛けてきた。 一緒に玄関に行き、外に出て朝の空気を吸う。 何だか清々しい気持ちだ。 最近は出かける時、いつも不安だったから。 「何でそんなに笑顔なの?」 そう聞いてきた彼に、ふふっと笑いかける。 「今日はいい日になりそうな気がして」 「そっか。楽しみだな」 「うん」 凪さんと手を繋ぎ、駐車場まで歩いた。

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