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第164話 ※

「真樹……真樹、大丈夫?」 「ぅ……」 「あーあ、顔ぐちゃぐちゃになってる」 「……ん」 ずっと顔を押し付けていたから、凪が心配して俺の顔を横に向けさせる。 汚れた顔を見られて恥ずかしいけれど、体に力が入らなくて全く隠せなかった。 「ごめん、我慢できなくて、動くね。」 「ぁ……あ、うぅ、ぐう……っ!」 「は……っ、すごい、締め付け」 奥の壁からペニスが抜けて、また入ってくる。 頭の中がグラグラして、快感に包まれて考えることを放棄した。 「ぉ、あ……あっ、あ、あ……」 「はぁ……」 「い、く……ぁ、もう、いく、いっ──ッ」 射精せずに何度目かの中で達する。 無理、もう落ちる──そう思った時、一番奥を突かれ、それと殆ど同時にお腹の中が熱くなった。 「ぁ、あ、つい……」 「っ」 ゆっくりと中から質量が抜けていく。 中に出されたそれも零れていきそうで、慌ててお尻に力を入れて後孔を締めた。 隣に寝転んだ凪が、俺を抱き寄せる。 俺は涙や涎、その他諸々の液体で汚れているから、正直早くお風呂に入ってベッドを綺麗にして眠りたい。 「凪さん……お風呂……」 「うん。でも、真樹まだ震えてる。もう少し落ち着いた方がいいんじゃないか?」 「ん、そうだね」 腰を撫でられてゾクゾクと快感が走り、慌てて頷いた。 「ごめんなさい。ぐちゃぐちゃにしちゃったから、今日は俺のベッドで寝よう……?」 「んー、じゃあ、片付けた後に真樹の部屋に行くよ。」 「……明日片付ければいいのでは」 「そうだけど、早く片付けて真樹と寝て、明日はゆっくり起きたい。」 「なるほど。」 傍にあったティッシュで顔を拭いてゴミ箱に捨てる。 震えも治まり、凪さんに支えられながらお風呂に行って、髪と体を綺麗に洗った。 湯船に浸かりながら、『そういえば』と思い出して、顔だけ振り返り後ろにいる凪さんを見る。 「一回しか出せてない、よね……?」 「うん」 「あの、俺……よかったら抜きましょうか……」 「いや、気持ちよかったし、充分だよ。ありがとう」 凪の手がお腹に回って引き寄せられ、背中と胸がくっつく。もたれかかっていると、突然項に噛みつかれてビクッと跳ねた。 「な、何……?」 「発情期来ないかなぁ」 「えっ……何で?」 正直発情期が来ると、いつも以上に訳が分からなくなるから苦手なんだけれど。 もしかして……そんな俺の方が好きなのかな。凪さんって……むっつりスケベってやつ……? 「子供ができるから」 「あ……そっちか。」 「え、どっち?」 「凪さんはもしかしたらむっつりスケベなのかもって思って。」 「……それもあながち間違ってないだろ。真樹限定だけど」 「喜ぶべきところ?」 「そうだろ」 くすくす笑いあって、体が温まってきた頃、また凪さんに支えられながらお風呂を出た。

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