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side 怜
OL生活5年目だと言う彼女は、付き合っていた男性と別れたばかりだと言って悲しい顔をしていました。
話を聞いてあげているうちに、恋人と別れた理由が、相手のあまりにも淡白で、身勝手すぎるセックスにあることがわかりました。
今の私にとっては、最高の出会いです。すぐにでも身体を交わらせたい…という雰囲気が、女性の言葉と仕草の端々に現われていました。
「私だったらあなたの気がすむまで、抱いてさし上げられるのに…」
小さな声でそう囁くと、その女性は、すぐに私を部屋に誘ってくれました。
そして、すぐに二人には言葉が必要なくなりました。
彼女は何度も何度も求めてきました。そして、彼女が、何度目かの絶頂を迎えた時、私は彼女の首筋に噛み付き、セックスと言う行為によって甘く熱く熟された血を頂きました。
その後、彼女は、しばらく気を失っていました。私も激しすぎたセックスに疲れ、彼女の隣で眠り込んでしまいました。
次に目が覚めた時には、彼女の頭が私の股の間にありました。
私が起きた事に気が付くと、彼女は私を妖艶な瞳で見つめ、そしてイヤらしく微笑んでから、もう一度顔を下げました。
彼女の絶妙な舌使いに、私の分身は、再び力を取り戻し始めました――。
いつの間にか、窓の外がすっかり暗くなっていました。
何度目かの行為を終えた時、ふと時計を見ると、もうすぐで10時になる所でした。
「すみません。そろそろ帰らなくては」
私は急いで服を来て、帰る用意を始めました。ベッドの中から、彼女の声が聞こえてきました。
「今日は抱いてくれて、ありがとう。貴方、とっても上手なのね。何だか、すっきりしちゃった。ねぇ、良かったらまた会ってくれる?」
「特別なお付き合いは出来ませんけど…。それでも宜しければ…」
私がそう言うと、彼女はプッと吹き出しました。そして、しばらく笑ってから言いました。
「貴方、変な人ね。言葉は丁寧だけど、言ってる事は、『セフレなら良いよ』って事でしょ?相当遊んでるわね」
「そうですね…そういう事になりますかね」
私のやっていることを言葉にすると、そんな感じなんですね。悲しい気持ちもありますが、仕方のない事です――。
「じゃ、また会ってくれるのよね」
「私が会いたいと思って、そしてその時、貴方も私に会いたいって思ってくださったら、また、お会いしましょう…」
彼女がまた笑い出しました。
「それは、『俺がやりたい時に、お前もやりたかったらな』って事ね」
失礼な言い方をする方だなと思いましたが、私が言ったことをわかりやすく言っているだけなので、批判的な気持ちになるのは違いますね…。
「そうですね、そういうことになりますね」
微笑んだつもりですが、微かに頬が引き攣っている感覚がありました。
「良いわよ、それでも。私のスマホ番号教えてあげる。貴方のは…そうねぇ、もし、貴方から連絡があったら、登録するわ」
そう言って彼女が、『沙江子』という名前と、スマホ番号が書いてあるカードを渡してくれました。
正直言って、ホッとしました。定期的に血を頂けそうな相手を確保しておく事は、私にとって重要な事なのです。さくちゃんに出会う前までは、その女性の家に住みついてしまったりしていたのですが、今は、さくちゃんと暮らしています。さくちゃんの傍に居た方が安全だ、という話なので、血が必要になったら、この女性の所に来ることにしましょう。
OLさんでしたら、会社の帰りなどに会う事が出来るでしょう。夜会う事にすれば、さくちゃんはお仕事で出かけてますから、調度良いのではないかと思いました。
別に、さくちゃんに遠慮する必要はないのですが…。
ベッドでまどろんでいる女性の首に、もう一度唇を寄せました。すぐに彼女の身体がビクッと反応しました。
「何か…すごいわ。首にキスされただけで、感じちゃう」
それから、私は、彼女にわからないように、首筋に付いた血を拭き取りました。
「それでは、さようなら。沙江子さん」
沙江子さんから、満足いくほどの血を頂きました。
血を抜かれた訳ですから、沙江子さんは、しばらくの間は体調が悪いかもしれません。でも、かなりの回数、身体を合わせたので、全身のダルさはその行為の疲れだとしか感じないでしょう。
血に餓えていた私も、今は、それが嘘のように治まりました。ですが、血を頂いた後、いつも感じる孤独感は、無くなる事がありませんでした。
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