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side 怜  タクシー乗り場に向いながら、沙江子さんに電話をしました。  朝早いのに、彼女はすぐに電話に出てくれて、私からの電話をとても喜んでいました。客待ちをしていてタクシーに乗り込むと、直ぐに彼女の家の住所を伝えました。  タクシーの中でボンヤリと、先ほどの事を考えていました。さくちゃんの連れてきた男性は、さくちゃんの恋人だったのでしょうか? 何故、私が居るのを知っていて、その方を連れてきたのでしょう? 私に紹介するつもりだったのでしょうか? そう思ったら、胸の奥が微かに痛みました。私の腕の中でぐっすり眠っていた、あの可愛いさくらちゃんを思い出し、悲しいような気持ちになってしまうのは、何故なんでしょう…。  あのベッドの上で、さくちゃんと恋人が抱き合っている…。  そう考えた途端、狂おしいほどに血に餓えはじめました。どうにかなってしまいそうです。そして…思い出すのは、さくちゃんの血の味、そして、さっき聞いた甘い喘ぎ声――。 「お客さん、着きましたよ」  運転手さんの声で、我に返り、私は急いでお金を払うと、彼女の部屋に向いました。  インターフォンを押すと、すぐにドアが開きました。 「待っていたのよ…。もう、会えないかと思ってた」  沙江子さんが、嬉しそうに微笑みました。パジャマ姿の沙江子さんの豊満な胸がすぐに目に入りました。 「すみませんでした。私も会いたかったです」  私は自分でもわからないうちに、そう答えて彼女を抱きしめていました。性欲に支配された男は、心にもない愛の言葉を囁けるのです――。  沙江子さんの部屋に上がると、お互い無言のまま剥ぎ取るように着ているものを脱がせあい、ベッドに向いました。 「早く、ちょうだい…。私、我慢出来ないの」  沙江子さんが熱い体を押し付けます。 「ねぇ、触って…あなたを待ってたの…」  準備をしていたのでしょうか、私を受け入れる場所は、既に充分に湿り気を持っていました。 「待たせてしまって、すみませんでした」  私はすぐに、彼女の中に入りました。突然の侵入で、彼女が小さな悲鳴を上げましたが、私はそれに構っていられませんでした。それくらい身体が餓えていました。夢中で彼女の中を彷徨い、彼女の喘ぎ声を聞きました。 先ほどのさくちゃんの声を思い出して、頭が混乱しそうでした…。私は必死に頭をふり、彼女との行為に集中しようとしました。

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