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side 怜
「くっ…」
さくらちゃんの行為があまりにも気持ちよくて、私はあっという間にさくらちゃんの口の中に精を吐き出してしまいました。
「わぁ…さくらちゃん! ごめんなさい」
射精した途端、体中が目覚めたようです。慌てて身体を起こすと、ティッシュを手にとり、さくちゃんの口元にあてがいました。
「さくちゃん、ここに出して下さい。あぁ、どうしましょう? 恥ずかしいですね、私…全然堪えられなくて。今までにあまりこういうことをして頂いた経験がないので…」
ゴクンと音をたてて、私の放ったものを飲んでしまったさくらちゃんが、ティッシュで口元を拭きながら呆れた顔をしました。
「怜、いつから起きてたんだよ?」
さくちゃんが呆れたような顔で私を見ています。
「今ですよ! 急にすごく気持ち良くなって…で」
私は慌てて答えました。とても恥ずかしい気持ちでした。
「ホント?」
「ホントですよ…!」
頭の中は起きていたんですけど…ということは、今は言わないでおいた方が良いかも知れないですね。
私はやっと動かせるようになった身体をゆっくり起こして、下着とパジャマのズボンを引き上げようとしました。
「ダーメ。これからヤルんだから」
横に居たさくらちゃんが、私の上にのしかかって掛かって、再び私のモノを扱き始めました。
「え、でも…あの、皆さんに聞こえてしまうんじゃ…」
そう言った私に、さくらちゃんがいたずらっ子のような顔を向けます。
「多分大丈夫だよ…だって、今、夜中だぜ? みんな寝てるさ。俺、声出さないようにするしさ。な、やろう! 俺、怜とやりたくてしょうがなかったんだ」
さくらちゃんの手が、私の右手を掴み興奮しきったさくらちゃん自身に押し付けました。
「さくらちゃん…」
「なぁ、怜、触って…わかるだろ? 気持ち良いやりかた。同じ男なんだから」
さくらちゃんの手に導かれて、熱を持ったさくらちゃん自身に直に触れました。ビクッと反応したと同時に、さくらちゃんの口元から熱い吐息が漏れました。
それからすぐに、お互いに着ている物を脱がせあい、裸の体を抱きしめあいました。こんなにドキドキするのは、初めてのような気がします。
「ねぇ、来て…怜」
私はさくらちゃんに気持ち良くなって欲しくて、女性達にするのと同じように体中にキスしていきました。私の唇が触れる度に、さくらちゃんの甘い声が聞こえてきます。
「怜のバカァ…」
小さな喘ぎ声に混じって、さくらちゃんがそう囁きました。
「どうしてですか?」
愛撫の手を止め、さくらちゃんを見つめると、瞑っていた目を見開き、私をじっと見返しました。
「こんな風にイヤらしく、色んな女抱いたんだろ?」
さくらちゃんが、子供のように拗ねた顔をしました。
「それは…」
急に拗ね始めたさくらちゃんに、私は戸惑いを隠せませんでした。
「あぁ、悔しい。気持ち良すぎる。お前の手の動きも、唇も…。もう、2度と他の奴を抱くなよ」
そう言って唇を尖らせてから、悲しそうに表情を崩したさくらちゃんを見ていると、愛しくて愛しくて仕方がありませんでした。
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