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side 怜
「もう他の誰も抱きません。これからは、さくらちゃんだけですよ…」
私の過去に嫉妬しているようですが、さくらちゃんだって、色々な人に抱かれたり、色んな女性を抱いたり…していたはずなんですけどね――。
「絶対だぞ」
さくらちゃんがそう言ってまた口を尖らせました。
「絶対です。あぁ、そう言えば、私、男の人を抱くのは初めてですから」
「あ…そうか。俺が、初めてなんだな…」
悲しそうだったさくらちゃんの表情が、とたんに嬉しそうに輝きました。それから、目尻をホンノリ赤く染めながら、さくらちゃんが呟きました。
「…なんか、良いね、初めてって。俺、嬉しいな、怜の初めての男ってわけか…」
「そうですよ」
私が答えると、さくらちゃんが急にベッドの上に座り込みました。
「そうそう、思い出したけどさ…」
急にベッドから下りたさくらちゃんが、鞄の中から何かを出して来ました。
「あのさ、これが必要だから」
さくらちゃんが、小さな四角い箱と化粧品のようなボトルを目の前に出して、ニッコリ笑いました。
私が荷物を作った時には、入れた覚えが無いのですが、いつの間に用意していたのでしょう? こちらに出発する前は、まだ、お互いの気持ちがわからなかったはずなのですが…? まさか、さくちゃんはこういう物を、いつも持ち歩いているんでしょうか?
「えっと、これはね…」
そんな私の心配に気づきもしないさくらちゃんは、男性同士のセックスについて、私の耳元に唇を近づけて、事細かく説明してくれました。
さくらちゃんの声が甘く熱くなるにつれて、私の体もどんどん熱くなっていきました。
「わかりましたから。私に任せて下さい」
私は少し照れくさくて、仕事を引き受けるような言い方をしてしまいました。
「なんか、冷静な言い方だよね…俺ばっか興奮してるみたい」
私の体に熱くなったモノを擦りつけながら、さくらちゃんが呟きました。
「冷静なんかじゃないですよ。ずっと欲しくてしょうがなかったんです。さくらちゃんのことが…」
さくらちゃんの熱く固くなったモノをゆっくりと握りました。
「ん…」
それから、何度も冷静さを失いそうになりながらも、たくさんの快感を与えられるように、さくらちゃんの身体を解かしていきました。
女性のその部分よりも、熱くて狭いさくらちゃんの中に入ると、さくらちゃんが両手を伸ばして、私 にキスを求めました。
「怜…愛してるよ…やっと1つになれたね…」
見つめながら囁かれる言葉に、伝えたかった言葉があふれて来ます。
「もう、何も要らない…さくらちゃんだけが欲しい…」
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