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side さくら 「あれ? 俺、お粥を食べようと…あぁ、食えなかったのか。バカだよなー、やっぱ食べてから薬飲むべきだった…って、もう後の祭だってば」  目が覚めて俺は1人でブツブツ呟いていた。  箸を持った瞬間に眠ってしまったような記憶が蘇ってきた。 そう言えば、怜は向こうの部屋に居るんだろうか? そう思いながらベッドから起きようとすると、ベッドの横の布団に怜が眠っていることに気が付いた。 「怜! れーい? なんだ、まだ、起きないのかな? 俺のが早く寝たからなぁ…」  何度か呼んでみたけれど、怜はちっとも起きなかった。俺よりも長く眠るのだろうか? 同じくらいのタイミングで起きられれば良いのに……。 「お腹すいたなぁ…先に食べてこようかな? でも、今何時だ? え、もしかしたら、夜中じゃないか?! あー、なんてこった…マジかよ」  台所に行って何か食べてこようかとも思ったけれど、夜中に1人で行くのはちょっと怖いような気がしてしまい、俺はもう一度布団の中に入った。 「もう…いいや。朝まで不貞寝してやる!」  自分の布団にもぐったら良い考えを思いついた! 怜のところに入ってやろう。 俺はベッドを出ると怜の布団の中に入り、怜の顔から身体からすべてに愛撫していった。 眠っている怜を触っているだけなのに、俺の下半身は確実に反応してムクムク起き上がり始めた。俺は、怜を感じたくて熱を持った俺自身を怜に擦り付けた。 「あー眠れないよ、怜! ほら、俺のここ、すっごい興奮してる。なぁ、怜、起きてよ…やろうよ、セックス」  怜の身体を触っているうちに我慢できなくなって、俺は怜の耳元でそう言った。言葉に出したらますますやりたくなってきた――。 「そうだ! 起きないんなら、こうしてやる。そうしたら怜はエッチな夢みるのかな?」  俺は怜の下半身を触ってみた。眠っているけど、少し反応するんだな。 「わぉ、怜のコレ、初めて触った…何か、幸せだぞ」  わざとらしく怜の耳元で囁いてみた。怜のモノは俺が与える刺激で段々と目覚めていく。怜も早く起きないかな? そう思いながら俺は直に触って刺激を与え始めた。 「ん…」  怜が鼻にかかった声を出した。もしかしたら起きてるんじゃない? 恥ずかしくて寝たふりしているんじゃないか? そう思った俺は、怜の下半身を裸にしてそそり立っている怜自身をパクリと口に含んだ。  そして舌で締め付けながら顔を上下させると、思いのほか早く怜が限界を迎えて射精してしまった。 「くっ…」  その声、ヤバい。色っぽいぞ。そう思いながら俺は怜の放った精液をゴクリと飲み込んだ。  怜が起きていたんじゃないかと思ったけど、どうやら本当に眠っていたようだ。  まぁ、起きていても寝ていても良いんだけどね。とにかく、今はやりたいんだ、怜と。  俺はコッソリ鞄に入れておいたゴムやジェルの入ったポーチを持ってきて、怜に男同士のやり方を教えてあげた。  細かく説明してあげたけれど、あまりにも慣れた手つきで俺の身体を溶かして行った怜は、やっぱり根っからのエロおやじなんだ。  たくさんの女を抱いてきたんだと思うと、悔しいというか悲しいというか…複雑な気持ちになってしまった。自分だって色んな人と抱き合ってきたけれど…。  色んな気持ちになっていたけど、俺はとにかく怜と1つに溶け合いたかった。

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