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side 怜
「すごい…良かった。お前、やっぱり上手すぎ」
抱き合った後の、さくらちゃんの第一声は、この言葉でした。良かったって言ってるのか、拗ねているのか…。
「そう言いますけど、さくらちゃんだって、かなり慣れてるでしょ…」
私だって、面白くありません。さくらちゃんは、体を使ってお金を稼いでいた事もあるのですから…。
「なぁ、もしかして、怜も、ヤキモチ妬いてくれてんの?」
何故か、さくらちゃんが嬉しそうな顔をしています。
「はい。ものすごく妬いてます」
私は正直に伝えました。
同意していなかったらしいですが、男性に抱かれている時のさくらちゃんの声も聞いているのです…。その事を思い出すと、今でも後悔します。その男性をつかまえて、追い出せばよかった…って。
「なんだ。俺だけが、お前の過去に嫉妬してるのかと思ったよ」
さくらちゃんはそう言いながら私の頬にキスをしてきました。
「そんな事無いですよ。私は、男性を抱いたのは初めてですが、さくらちゃんは女性も抱いているし、男性にも抱かれていますからね…やっぱり嫉妬してしまいますね」
この私が、相手の経験について拘るのも、おかしなものですが。
「えへへ。そっかー」
さくらちゃんが、何だかニヤニヤしています。私が嫉妬しているのを見るのが、楽しいのでしょうか?
「さくらちゃん」
名前を呼ぶと、私の腕の中で、嬉しそうな顔をしてさくらちゃんが、私の事を見つめました。
「何だよ? 怜」
さくらちゃんが可愛らしく小首を傾げるポーズをしています。
「今までに抱いてきた女性の数より、ずっとたくさん、さくらちゃんの事を抱きますからね。覚悟しておいて下さい」
私の言葉に、さくらちゃんが吹き出しそうになりながら頷きました。
「それって、すごい数なのかな…? まぁ、覚悟しておくよ」
さくらちゃんが嬉しそうに微笑んで、私に抱きつきました。
「怜…俺たち帰れるね」
「そうですね」
微笑みあって、キスをしました。
「帰ったら、これからの事、考えよう」
「はい」
「ね、もう一回しよう」
わかりました…。
言葉で答える代わりに、深い深い口付けをします。それだけで、体がさくらちゃんを求め始めました。
「なぁ、怜、お腹すいた…」
しっかり抱き合った後、まどろんでいるさくらちゃんにキスしていると、キスの合間にさくちゃんが呟きました。
そう言えば、さくらちゃんは、食事をする前に眠ってしまったのでした。
「何か作りに行きましょうか?」
「んー…でも、勝手に台所使っても平気なのかな?」
「大丈夫ですよ。ゆかりさんが、そう言っていました。私もお腹がすきましたから、何か作りましょう」
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