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side さくら 「すごい…良かった。お前、やっぱり上手すぎ」  怜のセックスは、相手に確実に快感を与えるって感じのセックスで、俺が今まで客にとった相手のような、欲望を吐き出す為だけの行為とは大違いだって思った。  じれったくって、強請るような声を出せば、欲しいものを与えてくれるし、何てったって、腹にグッと来る声で『愛してる』って何度も囁いてくれた。その言葉だけでも、俺の体は興奮して、熱くなりっぱなしだった。  あー…今まで、何人の女にこうやって尽くして来たんだろうなぁ。すっごく悔しい気がする。 「そう言いますけど、さくらちゃんだって、かなり慣れてるでしょ…」  そりゃ、そうだ。一応、体張って金稼いだ事もあるんだから。でも、それって、『愛』が無いんだぜ? 怜は、どの女も『愛して』いたんだもんな。 あー…あれ? でも、怜もそういう風に言ってくれるんだ? 「なぁ、怜も、もしかして、ヤキモチ妬いてくれてんの?」  何だか、すごい嬉しいんだけど? ヤキモチって、こんなに気持ちの良いものだったんだ? 『愛されてる』って感じだよね。 「はい。ものすごく妬いてます」  くー! 怜が、ヤキモチだって。信じらんない…。 「なんだ。俺だけが、お前の過去に嫉妬してるのかと思ったよ」 「そんな事無いですよ。私は、男性を抱いたのは初めてですが、さくらちゃんは女性も抱いているし、男性にも抱かれていますからね…やっぱり嫉妬してしまいますね」  当たり前だけど、そうなんだ。俺は怜の初めての『男』なんだよね。 「えへへ。そっかー」  ニヤケが顔が直らないよ。初めて…って良い響きだなぁ。 「さくらちゃん」  名前を呼んでくれる、その声が大好きだよ…。 「何だよ? 怜」  抱き締められながら、ジッと怜の顔を見つめた。怜がすごーく真剣な顔をしてる。 「今までに抱いてきた女性の数より、ずっとたくさん、さくらちゃんの事を抱きますからね。覚悟しておいて下さい」    俺はその言葉に、思わず吹き出しそうになった。確かに…その言葉嬉しいけど、一体、お前は何人の女と付き合ってきたって言うんだよ? 「それって、すごい数なのかな…? まぁ、覚悟しておくよ」  笑いそうになりながら、そう答えた。怜は、真剣に言ってくれていたようで、俺の体をギュウッと抱きしめると大好きな笑顔を向けてくれた。 「怜…俺たち帰れるね」  早く帰りたい…俺達のうちに。 「そうですね」  微笑みあって、キスをした。 「帰ったら、これからの事、考えよう」  そうだよ…俺達の関係は、今から始まるんだ。 「はい」  怜の唇に誓いの気持ちを込めてキスをする。俺にはもう、怜だけだよ…・。 「ね、もう一回しよう」  怜が、深い深いキスをくれた。  初めての怜とのセックスの後、俺はすっごい空腹だったって事に再び気がついた。 空腹を忘れていたっていうのも、変なんだけど、さっきは、とにかく飯、よりも怜と抱き合う事が大事だって思えたから…。  で、愛を確かめ合ったら、急に力が抜けて、腹がグーグー鳴り出してしまったのだ。 只今、午前4時…なるべく音をたてないように怜と一緒に台所に来た。怜は目の前で食事を用意してくれてる。ものすごーく幸せだ。これから、ずっと2人で暮らしていけるんだ。

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