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第50話 暑いのなら、脱げば?
彰は、俺の作った料理を完食してくれた。食器を洗おうと流しに立つと、彰は後ろからぴったりとくっついてきやがった。
「おい! 洗い物の邪魔すんな!」
俺は彰を叱りつけたが、奴に離れる気配は無い。
「後でいいじゃない。今日は昴太に全然触れなかったから、寂しくて」
「早く洗わないと、汚れが落ちねえだろうが!」
――こいつ、絶対家事やったことないだろ……。
「じゃあ、僕に構わず洗い物してて」
「だから邪魔だし! 第一、暑いんだよ!」
まだ残暑の厳しい季節だ。部屋はガンガン冷房を効かせているが、それでも密着されれば暑い。
「暑いのなら、脱げば?」
――ダメだ。こいつに、屁理屈で勝てる気はしねえ……。
そう思っていたら奴は、俺のタンクトップに手をかけると、一気に胸元までたくし上げやがった。
「おい! おいおい!」
「ほら、水、出しっぱなしだよ?」
言いながら彰は、俺の乳首を軽くつまむ。
「んっ……」
情けないことに、俺は甘ったるい声を上げてしまった。ほぼ裸になった俺の上半身を、彰が両腕でがっちりとホールドする。両の乳首をこねくり回されて、俺の下半身はあっという間に熱を帯びていった。
――早く、洗い物を終わらせないと……。
そう思うのに、執拗に嬲られる胸に意識がいって、なかなか作業が進まない。ついつい声を漏らしそうになるのを必死に堪えて、俺はごしごしと皿をこすり続けた。いつもの倍は時間がかかっただろうか、ようやく最後の一枚を洗い終える頃には、俺は切羽詰まった状態に追い込まれていた。
「終わった? じゃあベッドへ行こうか」
彰が、俺のハーフパンツの前に手を伸ばして、膨らみ切ったその部分に触れる。得意げな声色に、俺はかっとなった。
「お前な! 夕飯食ったら、帰るんじゃないのかよ! 匠さん、待ってるんだろ?」
「少しくらい、平気だよ。それに、君がこんなになってるの、放っておけないしね」
――誰のせいで……!
俺は彰をひとにらみすると、ベッドを指差した。
「お前、そこに寝ろ。今日は俺が、全部してやる」
――この前みたいに、こいつの思い通りになんか、させてたまるか……。
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