4 / 5

第4話

もうすぐ 家の前、嫌だ、離れたくない 歩くスピードを遅くすると向こうも足を緩める それでも 止まることはなくて とうとう 実家の門の前まできて 「またね」 と 笑った これが最後かもしれない それなのに 笑って「またね」なんて こいつらしくて 「上がってよ」 断られることが分かっていて言った 「いや、ここから先は入れないよ」 そんなの嫌だ 腕を引っ張って 無理矢理 門の中に入れる 入ってしまえば こっちのもん 「ちょっと、、、」 抗議する声を無視して ガラガラと玄関を開けて 「ただいま」と 家族に言って ビーチサンダルを脱ぎ捨てる そのまま 腕を掴んだままで 自分の二階の部屋に上がった 下から 「おかえりー」と今更 声がして 「もう 寝るから!おやすみ!」と言ってドアを閉めて 抱きしめる もう離したくない 「あのさ、、」 言いかけた言葉を無視して 唇をキスで塞ぐ 甘えるように下唇を舐めると 少し開いて 舌を滑り込ませる ぬるりと 絡みついて ゆっくりと 口の中をかき混ぜられる 垂れた唾液をチュッと吸われて 「本気?」 今更 そんな欲情した目で言われたって遅い 暗闇の中でも その目は反射してキラキラして見える 「本気。スる」 体を繋げてしまえば その瞬間だけは留めて置ける それ以上に 今 こいつを 感じていたい ラムネの瓶を取り上げて 机の上に置く 「出来るの?」 「やってみなきゃ 分かんない」 浴衣の襟の部分に手を突っ込んで 上半身をはだけさせる 「ちょっとぉ、積極的っ」 クスクスと笑って茶化しながら ベッドに押し倒される こいつとのセックスはいつも こんなだ こっちからムードを作るとやけに恥ずかしがって いつでも 少しのジョークと笑いの中に 甘くロマンチックなセックス キスをしながら Tシャツの中に手が入ってくる 汗ばんだ脇腹を撫でてから 捲られて 乳首に口付ける 愛おしくて 頭を優しく 抱きしめる 久しぶりの感覚にキュンっと 下が大きくなるのがわかる 「俺 汗、凄い、、」 脱ごうとするTシャツがひっかかる 「俺もだよ?」 「汗なんか かくんだ?」 「かくよぉ、さっきから もう ダクダク」 はだけた浴衣の背中を触ると しっとりと 熱い 脱いだTシャツをベッドの下に落として キスをねだる 流れを止めたくない 蒸し暑い部屋の中 エアコンのリモコンを探す一瞬すら 勿体無くて 筋肉質な 肩と腕を確かめるように触る 変わらない、、 向こうも 丁寧に 触れながら 「何?最近 鍛えてんの?」 「少しはね」 「へー?」目を細めて笑う 「なんだよ、いーだろ?鍛えたって」 「いーけどさ」 首筋にキスされて くすぐったい ムズムズとして 含み笑いに甘い声が混じる 耳の外側にキスされて 柔らかい唇が 耳たぶを挟む 摘まれただけの乳首がもどかしくて 指を動かして欲しい わざと吐息を耳に入れるから ゾクゾクして 指先に力が入る 「耳 好きだよね」 焦らされるような態度がもどかしくて こいつの乳首を摘むと 「んっ、急には反則」 と 甘えるような声で 注意する ズボンと汗で引っかかる下着を脱ぐと 「なんかさ、ある?」 言われて思い出す ここは実家だ そんなつもりもないから 持っているはずはない 「いや、ない」 「ある!」 旅行カバンを見て言う 「ほら 前に 行った時 俺が入れた まだ 入ってるかな?」 「いつの話だよ」 ベッドから降りて 旅行カバンの横についた小さなポケットの中を探ると サンプルのローションとコンドームが3枚 「ほーらねっ 入れっぱなしだと思ったよ」 得意げに 顔の横に持ち上げて ニヤリと笑う トントン 突然部屋をノックする音がして 二人して 心臓が跳ねる 「もう寝てる?お母さん達も寝るから おやすみね」 「うん、分かった!おやすみ!!」 慌てて切り返して 母親の階段を降りていく音を聞いて 2人で目を合わせて 少しだけ笑う 「それ 腐ってないの?」 「賞味期限なんかないでしょ?」 裏表を確認する 「そんなの いらない ローションだけでいいよ」 「いるよ まぁこんな状況だけどさ 大切にしたいよ?」 得意げに言うと コンドームを指につけて ローションを塗って さっさと 後ろを出せって顔をする 膝を曲げて横向きに寝ると 肩にキスをしながら 指が入ってくる 「あれ? 思ったよか キツくないね、あれ以来じゃないの?」 「秘密」 お前のことを思って一人で後ろも弄っていたなんて 言いたくはない 反応が見たくて 少し振り向くと 「ふーん?」 と 面白くなさそうな顔をしていた 挿れるために広げられるのは久しぶりの感覚 くちゃくちゃと 後ろから出る音が恥ずかしい 「痛くない?」 頭を撫でられて 優しい声で耳元に言われながら 何度もしつこく 首筋にキスをされる 「んっ、」くすぐったくて首を捩ると 広げるのを目的とした指の動きは 中の気持ちいい場所を探り出す 「見つけた?」 気持ちいい場所を擦られて ビクッと震えると そこばかり責められる 鼻から甘い声が漏れて 恥ずかしい 頭を撫でる手を掴んで 硬い手の甲にキスをする 前が切なくて 自分で触ると もうトロトロになっていた 無意識に 指を口に含んで舌を絡める さっき蓋を開けて吹き出したラムネの香り ほのかに甘い さっきの事と今は繋がっているんだと思うと嬉しい 「一回 出す?」 そう聞かれて我に帰る 「いい、挿れたい、、、」 こいつも 相当 我慢している 手を伸ばして 下着の上から 大きくなったモノを扱くと 指がゆっくり抜ける 振り向いて 下着に手をかけて引っ張る 「もー、そんなに 焦んないの」 口調の割に余裕のない顔して 腰を上げて ずらしやすくする 出てきたモノに 口付けると しょっぱくて ちゃんと 汗の味や においがした けして いい匂いではないのに 懐かしいにおいに安心する 根元の方から舐め上げて 先っぽを咥えると ビクッと震える 気持ちいいと思ってくれていることが嬉しくて 深くまで咥え込む もっと 気持ちよくさせてやりたい 頭を上下させながら 舌を使うと 「はぁ ダメだ、気持ち良すぎる」 情けない声を出して 俺を剥がす キスをしながら 焦るように下着を脱いでコンドームをつけて 組み敷かれる 残りのローションを 自分のモノに垂らしながら 「久々だし 後ろからのがいいかな?」 「いい、顔見たい」 枕を腰の下に入れて 左膝を抱えて 早く挿れろと 右足を こいつの腰に巻きつけると 焦るなよ?って顔をしながら 後ろに当てがわれる ゆっくりと 押し広げて中に入ってくる 「痛くない?」 「へーき、」 喉まで迫り上がる息苦しさ 男同士 無理やり体を繋げいるんだ 無理はしている だとしても 繋がれる事の喜びの方が大きくて 苦しささえ幸せで 泣きたいくらいに こいつを 愛していて 離したくない 俺の腰を掴む 腕を強く握って しがみつく ゆっくり ゆっくり 全部入ると 泣き出しそうな目で見つめられた 「あー、なんか もぅ 感動、」 そう言われて 体の中の大きな存在感が愛おしくて ホッと ため息をつく 目の端を指で拭われて 初めて自分が泣いていたんだと気がついた しつこいくらいに 顔中にキスされて 「もう、いいから!動け!」と 悪態をつくと ゆっくりと 気遣うように動き出す 揺すられながら 確かめるように 体を触ってくるから 俺も汗ばむ腕に触れる 蒸し暑い部屋の中 お互いの息遣いと 甘い声 もっと 触れていたい 帯に手をかける 「どうやって解く?」 「えっと、こうかな」 器用に帯を解いて 着崩れた浴衣をバサリと脱ぎ捨てる ついでに ベッドの上の棚に手を伸ばして エアコンを着ける あぁ 昔と 変わらない その体に抱きつくと ぎゅーっと強く抱きしめられた こいつも 口にはしないけど同じ気持ちだ 愛おしさが 溢れて堪らない ずっとこうしていたい 揺すられながら 必死にしがみつく 浅いところを 擦られて どんどん上り詰める 家族が下に寝ている 無意識に出てしまう声に気付いて 口を閉じるけど 鼻からは漏れてしまう 慌てて口を押さえる ビクビクと震えながら イけば 愛おしそうに 俺の髪をかきあげて オデコにキスをする 「気持ちいいね、生きてるって感じ」 「バカ、、」 泣きそうになる でも 泣き顔は見られたくなくて 首を引き寄せてしがみつく 「ねぇ、好き、、どうしよう、ごめんね、死ぬほど愛してる」 耳の中にそう言われて 思わず少し笑う 死ぬほどって、、 頭の中は もう ふわふわで 全部がどうでも良くなる 今この瞬間が全てで 未来なんて この瞬間の積み重ねなんだ そんな よく分からない事を思い出す グイッと体が離れて ポタポタと 何か降ってきた 汗か涙か こいつは 隠すように髪をかきあげたから 見えなかった 「汗 凄っ 逆に興奮する」 悪戯に笑いながら 俺の腰を掴む 気持ちいい場所を突き上げられて 堪らなくて 自分で前を触ると 「すっごい 誘い方、エッチ過ぎるよ」 なんて 中学生みたいに興奮するから 見せ付けるようにシてやると その手を繋がれる 「俺がシたいよ」 握り込まれて扱かれると 簡単に出してしまって 向こうもビクッと震えた 「あー、もぅ 凄い締めるんだもん、出ちゃったよ」 子供みたいな言い訳が愛おしくて 荒い息で 頭を引き寄せて キスをする 口の中もトロトロで 夢中になって もっと、と 追いかけると ゆっくりと 中から抜けていく

ともだちにシェアしよう!