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第18話

視線に気付いた君が俺を真っ直ぐ見つめ返す。 「離れたく無いんだ・・・入院してる間に目が見えなくなったら・・・」 君の顔を、光を失う最期の瞬間まで見ていたいんだ。 我が儘だってのは分かってる。 でも・・・・・・・・・ 「分かりました。家で治療出来ないか今度聞いてみましょう。」 そう言うと俺の方に向きを変えて横から俺を抱き締めた。 「貴方が最期に見る風景に僕を映して下さい。」 いつもは抱き締める方の俺は少し居心地の悪さを感じながらも 優しい温もりから出られなくて 君の腕の中で向きを変えると腰に腕を回した。 「そうする。だから・・・・・・・・・一緒に居てくれる?最期の瞬間まで。」 首筋に顔を埋めて君の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。

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