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第53話
親友の運転する車が目的地に着く。
「えっ・・・ここ?」
君の戸惑う声が聞こえる。
「ほら、降りるよ。」
親友が開けてくれただろうドアから
君の手を取って車を降りる。
「楽しい時間を。」
親友に見送られて歩き出す。
着いたのは前に兄貴夫婦(?)や親友と何かのパーティーで泊まりに来た高級ホテル。
状況が飲み込めてないだろう君にフロントに行くよう促す。
チェックインを済ませてカードキーを受けとると
静かなエレベーターに乗り込んで最上階に向かう。
「いったい何なんですか?」
部屋に着くなり不満気味に君が聞く。
「サプライズだよ。」
君の居そうな方向に手を伸ばすと
柔らかく握り返してくれた。
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