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第55話

軽く握った手を引いて君の体を抱き寄せる。 「今日は何の日か分かってる?」 首筋に顔を埋めて囁くと 「今日・・・・・・・・・ですか?」 君の不思議そうな声が耳を掠める。 やっぱり忘れてるな? 「今日は不思議な魔法が使える日なんだよ。」 そう言って手探りで君の頬に触れる。 まだ分からないのか君は一生懸命思い出そうと考えてるけど 君に触れたまま気長に答えを待ってる程俺には理性は無かった。 「今日は・・・クリスマスイブだよ。」 親指で唇に触れてから唇で塞ぐ。 舌で唇を縁取るように舐めてから口内に入り込む。 君からは甘い吐息が漏れて舌が絡まる。 蕩けるような甘い蜜を 俺は執拗に堪能した。

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