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第66話
テーブルには心配性の君が残して行った愛情達が並ぶ。
左端にはスマホ。
その隣にはテレビやエアコンのリモコン。
中央にポットに入ったコーヒーとマグカップ。
右には俺にも使えるノートパソコン。
ご丁寧に毎朝準備して出掛ける君。
昔は逆だったのに・・・
苦笑いを浮かべながらマグカップを取ると
朝の残りのブラックコーヒーを胃に流し込んだ。
これからの数時間。
俺はキリン並に首を長くして愛しい君の帰りを待つ。
俺が待ちくたびれて萎れちゃう前に帰っておいで。
じゃないとウサギみたいに寂しくて死んじゃうよ?
マグカップに温かいコーヒーを注いで一口飲む。
君の『ただいま』を想像しながら。
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