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第73話
「正直・・・大変な時もあります。上手くいかなくてイライラする事も。でも・・・彼が居てくれるだけで僕は幸せなんです。」
視線を愛しい人に戻して髪に指を絡める。
視力だけじゃなく命までも奪いかねないと聞かされた時
僕の世界も闇に包まれた。
だから・・・
愛しい人と過ごせる“今”は僕にとっては最高に幸せな時間だから。
「そっか・・・2人が幸せなら僕は安心だよ。」
義兄さんが俯く僕の頭を優しく撫でた。
無理しないでね?と言い残し義兄さんがリビングを後にする。
薄明かりだけの暗いリビング。
今の僕達にピッタリな雰囲気に
僕は小さく微笑んだ。
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