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第4.5話

その日俺は、ちょうど昼休憩が一緒になった鏡谷、灰原と昼飯を食っていた。 白雪「そう言えば茨城さん、毎日ソレ着けるようになりましたね」 眠「ぶっ。…よく見てんな、鏡谷」 白雪「え~、だってやっぱり気になるじゃないですか。ソレ、都筑さんに貰ったんですよね?」 眠「…そんな事まで知ってんのかよ。…まさか灰原がバラしたんじゃ」 透「ひどいな眠ちゃん。俺がそんな事するわけないだろう」 白雪「違いますよ。透さんに聞いたんじゃないです」 眠「じゃ、なんで…」 白雪「へへ~、それは秘密です」 透「白雪ちゃんの情報網は、俺でも驚くくらいだからな」 眠「……こえーな」 白雪「あ、誰彼構わず言ったりはしてないですよ」 眠「ああ。鏡谷がそんな事するよーなヤツだなんて思ってねぇよ」 白雪「ありがとうございま~す。で、その首輪を毎日するようになったのは、何か進展があったって事ですか?」 眠「な、なんでそう思うんだっ」 透「そうなのか?眠ちゃん。ではとうとう輝矢ちゃんと番に…」 眠「なってねぇよ!……………約束は…されたけど(赤面)」 白雪「そうなんですか?おめでとうございます!」 透「なんとめでたい。結婚式には是非呼んでくれよ、眠ちゃん」 白雪「あ、俺も俺も♪」 眠「お前ら、話が飛びすぎっ」 白雪「ええ?じゃあしないんですか?」 眠「なっ、そんなの、俺一人で決める事じゃねぇし…。……そもそも、番にするって…言われただけだし…(照)」 透「ふむ、では次のひーとで番になるんだな」 眠「な、なんで知ってんだよっ」 白雪「茨城さん茨城さん、透さんはカマかけただけですよ」 眠「う、…灰原、てめーっ」 透「はっはっはっ。眠ちゃんは分かりやすいなあ」 白雪「……あはは」 眠「…くそっ。………………な、なあ」 白雪「どうしたんですか、茨城さん?」 眠「…………噛まれるのって、…痛いかな」 白雪「え?…う~ん、俺は経験ないから分からないですね」 透「うむ、俺は噛む方だしな」 眠「…うっ、…だよな。わりぃ、忘れてくれ」 白雪「あ、なら、経験者に聞いてみましょうよ♪ちょっと待って下さいね」 眠「え。おい、経験者にって。いいよ、鏡谷。……て、誰に電話してんだよっ」 白雪「あ、怜?久しぶり~。……え?あ、そうだな。あはは。……あ、なあ、今時間大丈夫か?……うん。茨城さんが聞きたい事あるって。……サンキュー♪代わるな。はい、茨城さん。怜です♪」 眠「は?姫夜?」 怜『ご無沙汰してます、茨城さん』 眠「え?姫夜か?久しぶり。悪いな、急に」 怜『いえ。大丈夫ですよ』 眠「元気にしてるか?赤ちゃんは今は?」 怜『眠ってます。赤ちゃんも俺も元気にしてますよ』 眠「そ、そうか。…なら、いいんだっ」 怜『茨城さん?白雪から俺に聞きたい事があるって聞きましたよ?』 眠「いや、その、それは…」 怜『俺で分かることなら答えます。遠慮しないで聞いて下さい』 眠「…いや、そんな、…やっぱ、悪ぃし」 怜『……俺には、話せない事なんですか?(寂)』 眠「え?違うからなっ。姫夜に話せないって訳じゃなくって、俺が、恥ずかしいってだけでっ」 怜『…恥ずかしい?』 眠「うっ、何でもねぇっ」 怜『茨城さん?何があったんですか?』 眠「あったって、言うか、…これから、あるって言うか…」 怜『茨城さん、らしくないですよ?はっきり言って下さい』 眠「う、……、………たいのか?」 怜『…え?何ですか?すみません、聞こえなかったのでもう一度お願いします』 眠「……か、噛まれるのって、その、痛いのか…って…」 怜『は?…噛まれる?』 眠「……つ、番に、なる時だよ」 怜『え!?あ、ああ、その時の…噛まれる、ですね(照)』 眠「…そ、そうだよ。…その、姫夜の時は…どうだった…?…やっぱ、いてぇ?(恥)」 怜『え、あ、俺の時…ですか?…俺の時は…その…、確かに、痛かったと…思うんですが、…えっと、……それ以上に、幸せだった…ので、……(恥)』 眠「え、あ、そっか。そうだよな、変な事聞いちまって、ごめんなっ(照)」 怜『いえっ、俺の方こそ、お役にたてなくてすみませんっ』 眠「いや、俺が悪い!その、悪いついでに、出来たら忘れてくれっ」 怜『あ、はい。そうですね。…あ、泣き声』 眠「赤ちゃん起きたのか?じゃあ、切るな」 怜『すみません、茨城さん』 眠「いやこっちこそ、悪いな。じゃあまた」 怜『はい、失礼します』 眠「………………ふぅ」 白雪「どうでした?」 眠「…いや、どうって(照)」 透「なんだ?参考にならなかったのか?ではもう一人聞いてみるか。…と、良いところに」 鈴「なんだ貴様ら、まだ食べていたのか?俺などもうデザートまで食べて、戻るところだぞ」 白雪「あ、美野崎さん」 眠「鈴ちゃん、居たんだな。俺らと一緒に食べれば良かったのに」 鈴「そ、それはっ、」 透「はっはっはっ。恥ずかしかったのだろう」 鈴「黙れっ、馬の骨!元はと言えば貴様が悪いのだろうがっ」 白雪「あれ?美野崎さん、首の所…」 鈴「っっ!!な、なんだ!?これは、何でもないぞっ」 眠「……赤くなってた、よな?」 白雪「はい」 透「俺が付けた噛み跡だ」 鈴「透!!貴様は余計な事言うなっ!!(赤面)」 透「そうそう鈴ちゃんや、眠ちゃんが噛まれた時に痛みがあるのか聞きたいそうだぞ」 鈴「はあ?痛いに決まってるだろうがっ!!それを貴様は、俺がどれだけ言っても聞かず…って、何を言わせるか!!(赤面)」 眠「……灰原、お前(呆)」 透「そうか、痛かったか。次は気をつけるとしよう」 鈴「次など無いわっ、たわけ者!!」 白雪「…茨城さん、参考になりました?」 眠「………人それぞれって、事だな」 こうして騒がしい昼休憩が終わったのだった。 数時間後、通路でたまたま会った都筑に 輝矢「……なるべく、痛くしないようにするから」 と、目元をほんのり赤く染めてにらむように言われた。 眠「……へ?…あ、おい、都筑?」 それだけ言って去って行く都筑を見送った俺は、一瞬にして頭が真っ白、顔は真っ赤になったのだった……。

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