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第6話

「……ああ、食堂の近くの会議室だ。…急いで来い。…」 俺を連れて場所を移動した魚住さんが、また誰かに電話している。 と、急に扉が激しく開かれ、飛び込んで来た人影があった。 「っ、茨城はっ?」 怒り顔の都筑だった。 「…は?都筑?テメェどこにいやがったんだ?さっき電話してから、そんなに経ってねぇぞ?」 「そんな事どうでもいい!茨城はどこ?」 魚住さんを押し退け、椅子にグッタリと身体を預けている俺を見つけた都筑が急ぎ足で近づいて来る。 荒い息を繰り返していた俺は、そんな都筑の姿に不安になっていたらしい気持ちがフッと軽くなるを感じた。 「…こんな急に、ヒートになるなんて…。…ボク以外のαのせいで、、」 俺の頬に触れる都筑の手が微かに震えてる。俺はだが、安堵からその手の温もりに頬を擦りよせた。 「…ぁ……都筑…」 都筑に触れ、また一気に熱が上がったが気にはならなかった。それよりも都筑が欲しくて堪らない。 「……は…ぁ、……都…筑…ィ」 「…っ。…もう少し辛抱して、茨城」 都筑が俺の腕をとり、自分の肩にまわす。 「おいっ待て、都筑!?今、灰原も呼んだから、そんな状態のヤツを連れて行くんじゃねぇっ!」 「必要ない!そこをどいてっ魚住真珠!」 ふらつきながらも俺を支えて連れて行こうとする都筑の前に、魚住さんが立ち塞がる。が、都筑はそんな魚住さんを睨み付けた。 「チッ、強情がっ。オラッ貸せっ」 都筑の反対側の俺の腕をとる魚住さん。 「触らないでっ」 「うるせぇっ!我慢しろっ。テメェ一人じゃ無理だろうがっ」 グッ、と悔しげに顔を歪ませる都筑。 俺は二人がかりでタクシーに乗せられると、そのまま都筑のマンションへと運ばれたのだった。 鍵を開け部屋に入り、リビングにあるソファへと倒れ込むように俺を押し倒す都筑。 初めて来た都筑の部屋に、何事も無ければ緊張のひとつもしただろう。 だが俺は目の前の都筑しか見えていない。抱きしめキスを繰り返し、都筑を感じる事でいっぱいだった。 「…は、…ふ、ぅん、…ん」 「……ん、…ふぁ、…ん、…茨城」 都筑が抱きしめる力を強める。 「………都筑…?」 「…ボクだけ見て。ボク以外に触れさせないで」 そう呟くと俺のズボンを下着ごとずらし、熱く濡れる秘部に指を刺し挿れ、確認するように掻き回した。 「…うっ、…あ、あぁっ」 「…これだけ濡れていれば、すぐに入るね」 「………え…?」 愛液で濡れた指を引き抜いた都筑は、既に滾る欲棒を取りだしヒクつく孔へと宛がうと、一気に奥まで刺し貫いた。 「…ひっ、あぁ あああぁぁ」 「……っく、」 いきなりの行為に身体中に衝撃が走る。 だが都筑のらしくない行動は続き、すぐさま抽送を開始された。 「…ひ、あ、…や、やめっ、…都…筑っ」 俺の制止の声が聞こえないのか、激しく腰を打ち付けてくる都筑。 「…や、あ、あぁ、…やめ、っやめろって言って」 逃れようともがく俺を、都筑はきつく抱きしめ首筋に顔を寄せる。そして肌に歯をあて… 「っな?、おまっ、ざけん…なっ」 カッとなった俺は都筑の頭を押し退け、思いきり引っ叩いた。 「………っ」 放心する都筑。 「…今の、状態のお前…に、はぁ、噛まれるなんて…冗談じゃ、ねぇ」 俺は都筑の顔を両手で包み、自分へと向けさせた。 「…ちゃんと…俺を見ろ、…都筑っ」 どこか焦点の合わなかった都筑の瞳に俺が写る。 「…………茨城」 「…やっと…戻ったか。はぁ…ったく、しょうがねぇ…な」 俺は叩いてしまった方の頬をそっと撫でる。 「……強く叩きすぎ…たな。赤くなっちまった…、…」 「……いい。ボクが悪いから」 自分の頬を撫でる俺の手をとり、唇を押しあて目を閉じる都筑。 「………ごめん。ヒドイ事した」 「…もういい…て。…それより、やりなおして…くれんだ…ろ?」 俺は精一杯の笑顔を作り、都筑を抱き寄せた。 「…当たり前でしょ」 「……あ、はぁ、あ、…そこ、ダ…メだ」 「…ダメ、じゃないでしょ?」 「…はあ、…ん、」 「……すごく気持ちいいって顔、してる」 「…いや…だ、……見…るなぁ」 やりなおし、をしてくれた都筑は優しかった。優しくてイジワル。 「…はっ、……や。…も、イク」 「…いいよ。イッて、茨城。…番になろう」 唇を重ね、舌を絡ませる。激しくなっていく突き上げに繋いだ手にも力が入る。 「……ふ、うぅ、ん、んぁ、」 「…ん、…っ、」 「…んは、あ、…ぁ、あああぁぁ」 絶頂を迎えビクビクッと痙攣する俺の身体を抱きしめる都筑。 「…イッたね。…じゃあ、噛むよ」 (…わざわざ…いわなくていいのに…) ボーッとする頭でそんな事を思っていると、首元にギリッとした痛みが走った。 「…ッツ、…ぅ、……………………って、いたい、いたい、いたい、…いたいって!」 いつまでも続く痛みに耐えきれず、都筑の頭を引き剥がす。 「いつまで噛んでんだよ!?いてぇだろっ」 「…あ、ごめん。キミがボクの番になるんだ。って思ったら、止められなかった」 「は、はあ?何言ってんだよっ。だいたい…痛くしないって言ってなかったっけ?」 「…言ったかな」 「言ったよ!」 「…ふ、くすっ。…ごめん」 クスクス笑う都筑に毒気が抜かれる俺。 「……都筑でも笑う事、あるんだな」 「…悪い?」 「わ、悪くはねぇよ。……その、俺といると、楽しいのかなって」 俺の質問に少し考える都筑。 「…悪くはないね」 「なんだよ、それ…」 プッと吹き出す俺の髪に触れ、優しい手つききで三編みをすくい口づける都筑。 「……ん…」 「…ねえ。もう1回シようか」 「…え。………次は、噛むなよ?」 「…どうかな」 俺の冗談に、意地の悪い笑みで返す都筑。 俺達は顔を見合わせ笑いあうと、満たされた気持ちの中、もう一度お互いを求め合ったのだった…。

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