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口説いた相手は年増のオカマ? 3
「ちっくしょー、どいつもこいつもバカにしやがって! 『業務課だって、ざまあみろ』とか思ってんだろ!」
「そんな、誰もバカにしてないし、ざまあみろなんて言わないよ。ねえ、みんな、そうでしょ?」
本多のフォローもむなしく、一人として言葉を発しようとはしない。
創はイライラしながら、幹事を務める松田に「おい、もっと酒注文しろよ!」と、噛みつくような口調で命令したが、松田は荒れる創を諫めるように、
「加瀬くん、飲み過ぎだよ。もうやめた方がいいって」
「うるせーっ! クソッ、おもしろくねえ。だったら一人で飲んでくらぁ、あばよっ」
「あばよっ、って……」
仲間たちがあっけに取られて見守る中、日常では使われない捨てゼリフを吐いた創はテーブルの上に金を叩きつけると、そのまま表へ飛び出した。
それから近くにあった別の店に入ったところまではおぼえているのだが、なんと、そこから先の記憶がぷっつり途絶えてしまったのである。
次に彼が目にした光景は怪しげな装飾が施されたホテルらしき一室で、淫靡なムードを演出するライトにピンクのカーテンが生々しく、出入り口とは別の扉の向こうからシャワーを使う音が聞こえていた。
裸にシーツをまとっただけの格好で、自分が寝ていたのはダブルベッドの上だとわかると創はギクリとしたが、頭の中はぼんやりしたままだ。
(ここはラブホか? やべぇ、またヤッちまったのかな……)
酔った勢いでナンパした女を口説き、ラブホテルに連れ込んで、それで……
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