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口説いた相手は年増のオカマ? 4

『ケータイにメール入ってたけど、エリカって誰?』 『昨夜どこ泊まってたのよ。あ、その女ね。まったく、性懲りもないわよねぇ』 『一緒にいたっておもしろくも何ともない。あんたみたいな、顔とセックスだけの男ってサイテー』  ……などなど、何度起こしたかわからない女性関係のトラブル、元カノの可奈(かな)と別れたのもそれが原因だったが、愛想を尽かして離れていく女を引きとめようともせず、その後は彼女いない歴を更新中である。  だが、ルックスの良さからそれなりにモテるので、適当に遊ぶ相手には不自由していないため、決まった人が欲しいとも思わずに今日まで過ごしていた。 (そういや、ここんとこ誰ともヤッてないし、たまってたからかなぁ)  性欲のおもむくままに行動するのは、彼にとっては日常茶飯事だ。こんな場面はザラだが、それにしても今回はいったいどんな女を連れ込んだのか、相手の顔すらもおぼえていないとは、どれだけ泥酔していたのだろうか。  よーし、こんな時は一服やるのが一番だ。スーツのポケットに入っていたタバコを探して、創はベッドの脇を見下ろしたが、脱いだはずの服がない。いつもなら脱いだ衣服はすべて床に散らかっているのに、それがまったく見当たらないのだ。  まさか、今夜の相手に盗まれた?   いや、そんなはずはない。財布だけならともかく、中古の服を盗んでどうするというのだ。第一、シャワーの音が聞こえていることからして、女はまだ室内にいるのだから。  その時、扉の開く気配がした。

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