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口説いた相手は年増のオカマ? 7

 ますます謎めいてくるこの男、だが、彼のような人物が酒場にいたとしたら、酔っ払いの目には美女と映るかもしれないし、そうなると、泥酔状態の自分が見誤って口説いた可能性は大。当然といってもいい展開だったのだ。  酔っ払いの口説き文句を真に受けて、男は喜んでラブホテルまでついてきた。二人並んでこの部屋に入って、それからコトに及んで…… 「えーっ、ぎえぇ~っ!」  男といたしてしまった――考えがそこに到達すると、創は今度こそベッドから転がり落ち、腰をしたたかに打ちつけた。 「あらら、何やってんの?」  呆れた様子で声をかけられたが、それどころではない創はプチパニックに陥っていた。 「オ、オレ、おと、男と……」 「まあ、失礼しちゃう」  憤慨した様子の男は吸殻を灰皿で揉み消すと、創を睨みつけた。 「ゲイ・イコール・エイズなんて、昔の偏見もいいところだわ。ちゃんと検査を受けているし、何の問題もないわよ」  病気の心配はなくとも、男を抱いてしまった事実に変わりはない。  女性経験はそれなりに、人並み以上にあるかもしれないが、男相手は初めてだ。  男とヤッちまったなんて冗談じゃない。こんな過ちは忘れてしまいたい、そう、忘れるに限る。  慌てて着替えをし、ほうほうの体で退散する創を引き止めようとはせずに、男は謎の言葉を投げかけた。 「それじゃあ、またね」

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