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まさかマジかのオカマ課長 2

 この部署ごとのランクづけには早期退職勧告、いわゆる肩たたきの意味も含まれていて、業務課に配置転換された社員はほぼ例外なく会社を辞めていく。業務課への異動、そこに行けと言われることは会社を辞めろと言われるのも同然なのだ。  創たち大卒組とは別に、高卒の新人も──こちらには女子社員もいる──別枠で採用しているが、彼らとは入社式以降の関わりはなく、その大半が工場での組立を担う製造部に配属され、研修は工場内で行われている。  大卒で採用された者は上級職、あるいは将来の幹部候補扱いというわけで、同期の九人は皆、それぞれの部署で上級職につながる仕事に就いた。  それなのに、入社早々、肩たたきのための部署に一人だけ配属とはいったいどういうことなのか。  開発部は無理でも、せめてシステム部を希望していた創にしてみれば納得がいかず、打ち上げの席で荒れるのも、開発部に配属の豊田やシステム部に配属された本多をやっかんで絡んだのも無理はなかった。  何のために、それも、私学の工学部の高い学費を払ってもらって大学を卒業したのか。学生時代にさほど勉強したというわけではないが、就活の結果がこれでは故郷にいる両親にも申し訳が立たない。 「オレの素行に問題ありとか何とか、理由は何とでもつけられるからな。クソッ、だったら今すぐ辞めてやる!」

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