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まさかマジかのオカマ課長 8
豊田の後ろに隠れるように立っていたものの、小柄な彼に対して、長身の創の頭はにょっきりと飛び出てしまっている。
そんな創に一瞥をくれた総一朗は「それはどうも御苦労さま」と言ったあと、意味深長な笑みを浮かべた。
(オレをおぼえている……っていうか、ここの社員だって、わかっていたんだ)
スーツの襟には社章がついていた。齢も若く、見慣れない顔の創が自分の会社の新入社員だとわかるのは造作もないことだった。
(なんかすっごくヤバい状況、絶体絶命ってカンジだよな、どうしよう)
ところが総一朗は「それじゃあ、ついでに頼んで悪いけど、二人で向こうの棚の前まで運んでくれるかしら?」と言ったあと、奥のデスクの方に向かったため、創はホッと胸を撫で下ろした。
いくら何でも会社の中で、みんなの前で、あの出来事には言及しないだろう。そもそも、そんなことをしたら、お互いに身の破滅だ。
そうと納得したあと、課長命令に従って、台車では通れない隙間をまたしても、えっちらおっちら。
豊田と二人で箱を運びながら、創は小声で訊いてみた。
「あれがホントに課長かよ?」
開発部の部下たちは彼の存在をどう思っているのか、ぜひとも確かめてみたい。
「そうだよ。オレも今朝紹介されてびっくりしたけどね。服装とか見かけはスゴイけど、とってもいい人なんだ。仕事もできるから、会社側も文句言えないみたい」
「見た目もそうだけどさ、しゃべり方とか仕草なんか、あっち系じゃねえの?」
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