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イケてる麺 1

 開発部からネコの額ほどの業務課のスペースに戻ってくると、「御苦労さま」と言って創をねぎらう鈴木課長がまたしてもお茶を入れてくれた。 (オレは茶飲みジジイかよって) 「いやはや、来て早々にすいませんねぇ。私がこの腰を痛めなければよかったのですが、どうも」  部下が次々に辞めてしまい、課長自ら重い荷物を運んだところ、ギックリ腰を患った。  このままでは業務課壊滅の危機である。急遽新入社員の一人を、力仕事ができて、それなりに機転のきく若者をまわしてくれと嘆願したとのこと。  そこで創に白羽の矢が当たった。彼は業務課再生の生け贄というわけだった。  たしかに、この非力そうな課長に重い物を運ばせるのは無理かもしれないが、それなら山葉ミチルに手伝わせればよかったのではと問うと、鈴木課長は申し訳なさそうに弁明した。 「あの子はとてもいい子なんですが、配達先の間違いが多くて、けっきょく私が行く羽目になるんですよ」  要はアホすぎて使えないのだ。バストの大きさと頭の良さは反比例するという法則はあながち嘘ではない、と創は納得した。  そのミチルの姿が見えないので、どこへ行ったのかと思っていると、鈴木課長はまたまた申し訳なさそうな顔をした。 「イケメンの新人がきたから、同期のみんなに自慢してくるのだと言って、製造部の方へ出向きました」 「はあ?」  勤務中じゃないか、いったい何を考えているのやら。それでもまかり通るところが業務課なのである。

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