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イケてる麺 2
長身でウルフヘアが似合う、ワイルドかつシャープな顔立ちで、アイドル系とは一味違う魅力の持ち主。
その昔に話題をさらってからは今や世間の常識となった、イケメンヒーロー系と呼ばれるルックスの創がミチルのハートを捉えたとしても不思議ではない。
「イケメンというのは何ですかな、その、男前のことでしょうね、加瀬マナブくん」
「……ハジメです」
「これは失礼。キミが今年の新人で一番のイケメンだという噂は私も聞いていましたよ」
このオヤジが言うと、麺の一種みたいであまり嬉しくない。
各部署とも社外秘の機密事項が多いため、トイレ清掃以外は外注の専門業者を頼むことはしないという、例によっての経営方針に従い、資源ゴミと可燃ゴミ、シュレッダー行きの廃棄用紙の回収も業務課の役目である。
それらの分別を終えて所定の場所で処理したあと、総務課からまわってきた、使用済みの封筒を切り開いて、紙とプラスチックに分ける作業などをしているうちに昼休みになった。
このビルだけでなく工場内で働く人員も合わせると、ここの従業員はかなりの大人数になるが、昼休みは時間差ではなく、いっせいにとる形になっている。その人数が押しかけたとしたらば、社員食堂で昼食にありつけるかどうかはわからない。
昼食戦争を回避するべくコンビニの弁当を買ってきた創がレジ袋からそれを取り出すと、彼の隣で鈴木が愛妻弁当を広げて、何とものんびりとした食事が始まった。
(こんなんでいいのかな……)
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