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マジゲイへの道 8
問題はそこから先だ。
連絡が途絶えた、その理由──
総一朗の誘いに対して、創はずっと迷惑そうな素振りを続けてきた。本当の気持ちを隠して、というより、今の今まで気づかずにいた。「解放された、やれやれ」というセリフまで口に出してしまったのだ。そんなふうに嫌がられてまで誘おうとする者はそうそういない。
無理やりつき合わされている様子の相手に対して、さすがの総一朗も嫌気が差した、反応のなさに愛想を尽かした、創のことをあきらめたのだとしたら?
友情でもなく恋愛未満の、二人の中途半端な関係はこのまま途絶えてしまうだろう。
そんなのイヤだ、耐えられない。
声を聞かせて欲しい。
せめてメールを送って欲しい。
見捨てないで欲しい。
たまらなく切なくて、息が苦しくて、今にも胸が潰れそうだ。
「あーあ、とうとうマジゲイかよ。何やってんだよ、オレ」
泣きべそをかきながら後始末をして、再びベッドに横たわる。
後悔とも安堵ともつかぬ感情にどっぷりと浸っているうちに、創はいつしか眠りについていた。
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