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離れ小島の決闘 3

「近頃じゃ、女の子ばかりじゃなくて、男にも取り入ってるって聞いたけど」 「おう、聞いた聞いた。開発部の例のアレ、だろ」 「そっちもオッケーか。バイだなんて、なかなか隅に置けないな」  そう言って彼らは互いに目配せをすると、いやらしく含み笑いをした。  開発部名物のオカマ課長がお偉方の集まる全体会議の席において、業務課に関する意見を強調したという話はたちまちのうちに社内に広まっていた。  それはゲイの課長が業務課に配属されたイケメンの新人に入れ込んだ結果だ、いや、その新人自らが課長に取り入ったのではないか。そんな噂が広まり、社内の一部の者から、特に製造部の人々からやっかみ混じりの批判を受けることになってしまったのである。 「もしかして開発部業務課にしてくれって頼んだんじゃねえのか」 「あーら、色男のお願いならアタシ、何でも聞いちゃうわ」 「その代わり、今夜のお相手をヨロシクね」  ついにはモノマネも飛び出し、ゲタゲタと笑う連中を創はギロリと睨みつけた。 「だいたいさ、なんであんなのが課長やってんだよ。それをほっとく会社側もおかしいって、みんな言ってるぜ」 「社長あたりをタラシ込んでたりしてな」 「げぇ、気色悪」  自分は何と言われようとかまわないが、総一朗が、好きな人がバカにされるのは我慢がならなかった。  カアッと頭の中が、身体中が熱くなる。腕がぶるぶると震えた。 「なんだ、その反抗的な態度は?」 「……うるせえよ」 「ンだと? てめえ、やる気か」

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