82 / 136
離れ小島の決闘 7
「ゴメン。余計なことを考えすぎて……ちょっと……」
総一朗の表情にやるせなさと、憂いが浮かんでいる。こんな彼を見るのは三度目だ。母の死に目に合えなかった時のこと、転職をした時のこと――
胸の内を不安がよぎった。自分にとって決していい展開にはならないであろう、嫌な予感がする。
「余計なことって何だよ。何を考えたってんだよ」
「いいんだ、気にしないで」
「気にするなって言われたら、もっと気になるじゃねえか」
「ゴメン、本当に……また、あとで」
総一朗は逃げるようにして、医務室から出て行った。
独り取り残され、その場にペタリと座り込む。何をどうしたらいいのか、今の創にはまったくわからなくなっていた。
ともだちにシェアしよう!