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寄せて重ねる…… 3
買いかぶりだと思っても嬉しい。弾む気持ちを抑えながら、次のセリフを待つ。
「そんなキミと……課長だの平社員だなんて気にせずに、ただ一緒に居たかった。週末のキミを独り占めしたいという、ボクのワガママだった。さぞ迷惑だったと思う。許して欲しい」
総一朗の遠まわしな告白に、照れ臭さで身体中が熱くなる。
彼の言葉に応えたいと、創は「イイ男教育、すごく楽しかったぜ。そりゃあ、最初は抵抗もあったけどさ、途中からはずっとポーズ。カッコつけてただけ」と吐露した。
「喜んでもらえてたんだね」
「もちろん。だからオレも……あんたと、ずっと一緒に居たいって」
紳士たるもの、ガッつくなかれ。
とは言うものの、ついつい奥の部屋のベッドに目をやってしまう。
そんな創の心境がわかりきっているのだろう、総一朗は「先にシャワーを使うかい?」と勧めた。
「あ、う……うん」
いよいよか。肩に力が入ってしまう創に、総一朗は告げた。
「大丈夫。時間はたっぷりあるよ」……
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