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心乱れて 5

 報告その一。業務課の廃止はほぼ決定で、鈴木課長の退職と前後して行なう予定であり、それまでに組織編制を見直すこと。  その二。廃止後は総務課と各部署の分担によって仕事を引き継ぎ、その内容と場合によっては外注の業者を入れること。  その三。面接の結果、廃止後の配置転換として、山葉ミチルはそのまま総務課へ、創はシステム部に移るだろうということ。  総一朗のいない間の社内ニュース、主に業務課を巡るその後の成り行きについて報告すると、彼は大喜びで返事を送ってきた。 『アタシのお蔭、感謝しなさいよ、なんてことは言わないよ。あの日、キミが課長の代理を立派に務めた結果だ』  そんな総一朗の言葉がとても嬉しかった。  さて、水曜の夜遅くに帰宅した彼とようやく顔を合わせたのは木曜の朝で、思わぬ事件が起きたのはその日の午前十時頃だった。  例によって、デスクにて鈴木課長とお茶を飲んでいた創が何気なく総務課の方を見ていると、女子社員の一人が立ち上がり、来訪者の受付に立った。 (あっ、あいつは!)  名刺を差し出した来訪者はあの扶桑繁明だった。すると女子社員は承知したという様子で、内線電話をかけ始めた。 (ここまでわざわざやって来るなんて……そうか、連絡先を教えてもらってないからだ)  扶桑と別れたあとに、総一朗は今のマンションに転居したようで、住所も、電話番号もメールアドレスも知らない彼としては、当人に会うためには直接会社を訪れるしか、方法がなかったのだ。

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