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激突! 元カレvs今カレ 6

「ああ、いいだろう。ボクらが同郷なのは知っているよね? じつは彼の実家で法事をやるらしいということを人づてで聞いたんだが、本人の耳には入っていないようだから、教えてあげた。それだけだよ」 「法事……?」  墓参りと法事、結びつかないこともない。  それにしても、そういう理由での休暇なら何も隠し立てすることはないじゃないか。なのに、曖昧な言い回しをした上に連絡まで絶ってしまうなんて、いったいどうなっているのだろうか。  扶桑は考え込む創の様子を眺めたあと「余計な世話は焼くなと、あいつにも言ったはずなんだが」などと言い出した。  余計な世話すなわち、若い男にちょっかいを出すなと言いたかったのだろう。いずれ創が総一朗に対して本気になる、ゲイの道に引きずり込まれるとわかっていたからだ。  ムッとした創は挑むように「お言葉を返すようで大変恐縮ですが、『それこそ余計なお世話だ』って言われていましたよね」などと切り返した。 「まあ、そうだろうね。しかし、現実問題としてはどうだ。こんな事態になっているじゃないか。キミだってつらいだろう」 「つらいって、別に」  扶桑は茶化すでもなく、むしろ真剣な面持ちで「悪いことは言わない、手を引いた方がいい」と言った。  普通の男に戻れという意味か。  自分がそうしたように、女と恋愛して、結婚して、祝福される人生を歩めと言うのか。  世間の大半の人々が進むであろう、平穏無事な道を行けと勧めているのか。

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