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ハッピー・ウェディング 7
「それにしたってさぁ、これぐらいでヘバるなよ」
「言っとくけど、金曜日は法事で丸一日潰れたし、そのあとも歩き回ってクタクタだったのよ。それなのに、こんな時間まで……」
「オレだって、あんたを探してあっちこっち回ったんだぜ。さっさとメールをよこせば手間がかからなかったのにさ」
「うるさいわね。だからああいう事情があってって話したでしょ」
「疲れてるのはお互い様だろ。それでもオレの方がこれだけ元気なのは、やっぱり若さの違いだよな。どうだ、恐れ入ったか」
「あー、ムカつく言い方」
「二十も年下を相手にするなら、それなりに覚悟してもらわないとな」
「二十じゃないわよ、十九! まったく、もっと年寄りをいたわりなさいよ」
「こんなときだけ年寄り発言かよ、都合よすぎだって」
「そうよ、年寄りはワガママな生き物なの。老後の面倒は頼むわね」
「ケアホームにぶち込まれたいのか」
「いいわよ。それならシルバー美形を誘って、ハッピーライフを送るから」
丁々発止のやり取り、軍配は口達者な総一朗に上がった感がある。
「ったく、ああ言えばこう言う……」
憎らしいけど憎めるはずもない。創は総一朗を乱暴に抱き寄せた。
「さっきので五回目だったから……よっしゃ、決めた。連続十回記録に挑戦する」
「な、何、それ……」
「朝まで愛しまくる。寝かせてやらないから覚悟しろよ」
口達者な唇は熱く塞がれてしまった。
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