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9.恐怖と快楽(前半)*
目の前には刺さるような鋭い目をした表情の男が立っている。心なしか冷たい空気を感じる。
怒っているのは明らかだった、今までお店でも見たことがないほどの表情が見える
「俺は辞めてこいと言ったはずだ。」
「・・・・。」
バイトの事を言っている事は理解できるがその言葉を自分が了承した覚えはない。
そう言ってしまえたらどれだけ楽か…だがあまりの恐怖で声すら出なかった。
身体は動かず目頭には熱を感じ今にも焼けそうなほどだった。
すると俺の顎を掴み上を向かせた。
頬を痛いくらい掴んでいる指が食い込み口を開かざるえない…
殴られるのではと思いぎゅっと瞼をつむると…
痛いという感覚とは全く別の感覚が流れた。
唇に触れる感触と舌が入ってくる感覚。
口内に広がるねっとりとした絡み合い。
驚きながらも引き剥がそうとするがもう片方の手で俺の腰を押さえられ身動きがとれない。
そんなのお構い無しに入ってきた舌は俺の舌に深く絡め続け喰らうように攻めてきた。
舌を舐め上げられ、噛まれ、息が限界まで苦しくなると少し離れ…かと思えばすぐに塞がれ…その繰り返し。
だんだん頭が痺れるようなその行為に力も入らず、虚ろな目からは頬を伝うものを感じ。
やっと空気を吸い込むことが許され方を揺らして呼吸する。
頬に流れたそれを拭うように舐め取られる。
「は・・・はぁ・・はっ・・ぁ」
すでに俺は空気を求めるので必死で拒む力もない。
力無く倒れ込む身体。
男は一瞬離れたかと思うと再び額、目元、頬、耳へと唇を落としていった。
耳に触れられると敏感になった身体が密かに反応しそれに気づいてか遊ぶよう弄られた。
熱い吐息がかかり舌触りに何度も身体が跳ね微かに声が漏れてしまう。
「・・ぁ・・・ん・・あっ・・・やめっ・・・」
腰に触れていた手が少しづつ撫でるように身体を伝いある場所に着く…
なんとか身体を動かし弄る腕を退けようとするが全く動じていない。
まさかまさかと考えがよぎるが相手は手を止める様子もない。
俺の中心に置かれた掌はズボンの中に忍び込ませ慣れた手つきで直接触れていく…
いやだ、やだ、と声にならない言葉を訴えようと口をパクパク動かす。
優しく触れられたと思うと軽く握られながら上下に動く…
その感触に性器はあっという間に熱を帯び身体へと熱が広がっていく。
耳とソレを同時に弄られ意識がさらに混乱する。
男の袖を掴んでいた手にも自然と力が入る。
「あ・・・んぁ・・ぁ・・・・ぐっあぁぁぁぁ!」
ビクビクと固くなり脈打つ性器の先端に爪をたてられその刺激で身体中に電気が走る、同時に耐えられず男の掌に吐き出された。
白濁とした液体が絡んだ手を追うように眺めると…それを舐めとる様子に目を見開く。
(な・・・!?)
「もう二度と俺に嘘をつくな、隠し事もだ、いいな。」
その言葉に先ほどとは変わって静かな冷たい声だった…だがどこか寂しげにも感じたような気がしたが気に留める余裕はない。
「・・はぃ・・・・」
「いい子だ・・・」
絞り出した声は囁くように小さく、それでも相手には聞き取れたようで首元に唇を当てたかと思えば一瞬の痛みが走る。
「っ・・・」
少しの間が空いたと思えば再び言葉が聞こえる。
「あの客にはどこまで許した。」
(あの客・・・?)
(許すって何を・・・?)
「まさかここを許したことはないな?」
そう言うなり先ほどの液体が絡んだ指で前から後ろへ割れ目に沿うように触れある場所を円を描くように撫でていく…
そして……
ズプッ・・・
「ひっ!あぁぁぁっ・・や・・めて・・・くだっ・・ぃ」
今まで自分でさえ触れたことのないところに指をあてがう。
気持ち悪さと信じられない現実に羞恥心が壊される。
「答えろ。」
異物感で無意識に力が入る・・・
しかしお構い無しに中へと進んでくる指はさらに中で広げるように動かされた。
自分の意思を無視して広げられぐりぐりと指の動きを感じてしまう。
「ひぃぁぁ・・・うっ・・なぃ・・あるわけない・・・」
この行為が終わって欲しくて必死に答える…
「いっ・・・」
男は再び唇に軽く触れると俺の唇に噛み付く、唇の端が切れて微かに血の味が口に広がる。
噛まれたと思えば今度はそれを癒すように舐めとり、吸い付く。
そんな中でも指の動きは止まる事はない。
「ひぃぃい!!」
意識が錯乱していると全身が痺れるような衝撃が走る。
(な・・・なんだ!?今の・・・)
「ここか・・・」
怪しく口の端を上げ集中的にそこばかりを責めてくる。
直感でヤバイと感じた。それこそ今すぐ引き出そうと動かせないよう力んで。
だがやはり指は止まらない。
「いやぁぁ・・そこっ・・・やだ!」
「んぁ・・やめっ・・・変になる!」
抵抗しようと身体をくねらせるが逃げられるはずもなかった。
だんだん指の動きが早くなると
更に追加で入ってくるのがわかる!
もう嫌だと入らないと言っているのに身体は何故か無理矢理だとしても受け入れてしまう。
「あ・・・ぁ・・はぁ・・ん・・・」
「分かるか?もう2本もくわえてるぞ。」
恥ずかしさと快楽におかしくなりそうな俺を追い詰めるように耳元で囁く。
言葉と共に響く水音、耳を塞ぎたくなる気持ちを許さないとばかりに音を立たせる。
初めはポタリと流れていた涙も滝のように視界がボヤけ口の端からも液体が垂れる。
「あぁああ!やだぁ・・・ごめんなさいっ・・ごめんなさい・・・」
2本ともなると刺激は増し再び絶頂を迎えた。
「はぁ・・・はっ・・ぁ・・・」
「もうイッたのか。」
自身のお腹に先ほどと同じ白濁が先端から吐き出されていた。
抜かれるだけでも身体が反応してしまう。
「んぁっ・・・ごめ・・なさぃ」
絶頂を迎えて指先まで痺れを感じる。
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