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第7話

 初日の、メテオアがエクエスに捧げた歌は古代の優しく、勇敢な騎士を称えたものだった。  そして、翌日は星を崇める民の歌や湖のほとりの動物達の歌等を歌う。  テーマはそれぞれで、異なっていたが、一貫してメテオアの歌声や楽器の演奏が美しくて、優しかった。 「そなたの声は凄く美しいな。あとは、何だか、優しいというか、とても癒される」  エクエスは軽めに訓練を終えると、真っ直ぐメテオアの待つ自宅の屋敷へと帰る。  普段であれば、2、3日もすれば、王の命によりエクエスの元を訪れた踊り子や歌姫達はレクターを去り、旅に出る。  だが、メテオアがエクエスの元に訪れてから10日ほどが経とうとしていた。 「癒される?」 「ああ、上手く言えぬが、今まで色んな舞いを見て、音楽を聞いてきた。ただ、そなたには繕わなくて良いというか、そんな気がしている」  エクエスはそこまで言うと、「おかしなことを言った。忘れてくれ」と笑った。 「将軍様。もし、お辛いことや話したいことがありましたら、私に話していただければ幸いです。あの日のように」  メテオアはエクエスにそう言うと、エクエスの手に親愛を示す口づけをする。  あの日とは度重なる搾精をされ、疲れていた日のことだった。 「ありがとう」  エクエスは例の国務についてではなく、自身の育った国や孤児院、育った中で出会った家族について話し始めた。  そして、 「もしかすると、私よりも強い者が出てきて、私は敗れるかも知れない。でも、この命がある限りは守りたいんだ。孤児院の父や皆を」  鍛え抜かれた盾のような身体、研ぎ澄まされた剣のような知略。  武力のみならず、清廉さに満ちた願いを抱く諸国随一の将軍。  エクエスは相変わらず、メテオアへ「おかしなことを言った」と言い、話を終わらせようとする。 「貴方なら……きっとできます」 「え?」 「貴方は私が歌い上げるどんな騎士よりも強くて、聡明で、清廉な方なのだから」

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