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第十二章 第15話

 ベッドに膝をつき、白く細い腰を高く上げた淫らな姿勢が堪らなくそそられる。 「ああ、零さずにいて下さったのですね」  彼の薄桃色の双丘を開くとトイレでの洗浄が効いたのか、祐樹の白濁は外側には滴ってはいない。ただ、先ほどの情事の余韻からか彼の入り口はすっかり柔らかくなっていた。  左手の指二本を使い、内部を蹂躙する。指の動きごとに彼の薄紅色に染まった背中が反り返る。艶やかなテノールが快楽の曲を歌っているようだった。  指を二本挿れ、奥までかき回す。奥はねっとりと潤んでいて祐樹の指を待ち兼ねたように動く。入り口付近に唇を付ける。普段より紅みは増しているが、清楚な感じは変わらなかった。ふっと息を吹きかけると、綺麗な背中のラインがゾクリと震えた。その様子に気を良くして舌をソコに這わせた。 「あ、それっ……は」  枕を握り締めて次々と襲ってくる悦楽の波に耐えていた彼は細い声を震わせて快楽の音色を変える。 「恥ずかしいですか?でもあなたのココは悦んで舌を迎えて下さっていますよ」  舌と指の悪戯に彼はいつものように切れ切れの…聞きようによっては辛そうにも聞こえる遣る瀬無さそうな嬌声を上げる。  感じて力が抜けて行くのだろう、腰の位置が下がる。 「あ……私が差し上げた白いモノ……出て来ましたね。紅色に染まった太腿に伝ってとても綺麗ですね」  彼の吐息に似た嬌声すら快楽の色に染まっているようでとても艶かしい。臀部に顔があるので祐樹の息が掛かってしまうのも感じているようだ。 「ああ、もうっ……お願いだから……挿れて……ほしい」  時間を掛けてソコだけを攻めていると、すすり泣きに似た薄桃色の嬌声が吐息混じりに訴える。彼がそう言うのを実は待っていた祐樹はほくそえむ。 「分かりました。上げますから……少し腰を上げて下さい」  彼がしなやかな身体のラインを惜しげもなく見せ付けて腰だけを高く掲げる。その双丘からは先ほどの交情で祐樹が注いだ白濁が紅く染まったすんなりした太腿に伝っている。   その様子は淫らでありながらどこか神聖な感じがする。彼は枕に顔を埋めて快楽を耐えている。 「挿れますよ……あなたの貪欲で神聖な場所に……」  それまで中を弄っていた左手を出し、彼の前をすっぽりと包む。彼のモノもしっかり嬉しい成長を遂げている。 「ああっ……っ……、祐樹のモノが……挿って……」  後ろ髪しか見えないが彼が細い首を撓らせて悦楽に耐える様子は健気ですらあった、淫らでもあったが。 「ほら、全部挿りましたよ」  前を扱きながら祐樹の上半身は彼の裸の背中と密着するようにさせた。その体温が嬉しいのか、どこか満足げな吐息を零す。が、数秒後、切羽詰った声に変わる。 「う……動いて欲しい……」  彼の淫らに開花したばかりの内壁が祐樹を高めようとそれだけが別種の生き物のように動き出す。 「あなたのソコの動き……とても素晴らしいのですが……、今回は止めて下さい。そして、質問に答えて」  耳元で強い口調で囁く。その声にいつもと違うものを感じたのか彼の内壁も動きを止めた。 「中に入っている私のモノの大きさと硬さ……貴方の過去の恋人達と比べれば、如何ですか?日系人ともお付き合いがあったのですよね、確か?そしてアメリカの方とも……」  彼の全ての動きが一瞬停止する。 「それは……」  反り返っていた背中が強張っている。やはり答えたくない質問だったのか?と後悔しながらも心を鬼にして言う。今日はこの件を彼に確かめる目的も有ったのだから。 「正直に言って下さって構いませんよ?でも、仰らなければ……このままです」  繋がっている身体は停止しているものの、彼の前に回った左手は唆すように茎全体をゆっくりと愛撫する。 「……硬さも大きさも……祐樹のが……、一番だったように思う……」  考えながら言っているようだが、そこには嘘の響きは感じられない。杉田弁護士から聞いた、アメリカ人男性と日本人男性とのソコの硬さの違いと、過去の恋人達に見せられたゲイ用のDVD(中にはアメリカから密輸入した無修正版も有った)の外人達を思い出す。そういえば西洋人の方がアレは総じて大きいようだった。  祐樹は自分のサイズは日本人にしては普通か普通よりも少しだけ大きいという程度だと思っている。アメリカ人には敵わないと思う。大きさだけなら。それなのに、自分のモノが一番大きく、かつ硬いと言うのは? 「本当に?  怒りませんから……本当のことを言って下さい。私も貴方の過去を詰るほど清潔な過去は持っていませんので……」  思わせぶりに腰を少し動かす。密着した上半身は彼が悦楽をどんなに待ち望んでいるのかを肌で感じる。 「硬さ……は日系人のと少し似ているような感じもするが……ただ、やはり祐樹のが一番硬いし……大きいと……思うっ」  恥ずかしそうな、言いにくそうな口調だった。 「分かりました。良く仰って下さいましたね。ではご褒美です」  上半身を密着させながら下半身を激しく動かす。下半身の動きとシンクロさせて左手を動かした。  彼の声も次第に切羽詰ったものになった。 「ああっ……そこっ……もっと……」  吐息混じりの咽喉声がとても綺麗だ。  しかし、これではっきりした。やはり彼の経験値は多分1人。アメリカ人と付き合ったことはないのだろう。日系人とは多分付き合ったことはあったにせよ、馴染むまでは付き合ってはいないようだ。では、マンションに呼んでしまうと湧かれた後に切ない思いをすると言ったいつかの彼の言葉はどう解釈すれば良いのだろうか?

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